アクセルとブレーキの踏み間違えなど、高齢ドライバーが起こす事故が減る兆候はない。高齢ドライバー事故の話とつい結びつけてしまうのが、高齢者の「運転免許証の自主返納」。年々、増加していると思いきや……自主返納件数は減っている。マジですか!
文:ベストカーWeb編集部/写真:Adobe Stock、AC
■これは驚き!! 2023年の自主返納件数は2019年の半分以下!
警察庁の統計による、2023年の「運転免許証の自主返納件数」は38万2957件。
多いような気がするが、前年から6万5519件減り、4年連続の減少という(これは意外!)。いまだ記憶に残る、高齢ドライバーによる東京・池袋の事故発生の2019年には、60万1022件の返納があり、過去最多! その翌年から減少しているというわけだ。
年齢別に2019年と2023年を比較すると……。
■75歳未満の自主返納件数=2019年:25万594件 2023年:12万1388件
■75歳以上の自主返納件数=2019年:35万428件 2023年:26万1569件
ここ数年、なぜ運転免許証の自主返納件数が減っているかというと、その要因は「コロナ禍」。
2020年からのコロナ禍で「ほかの人と密にならないクルマも運転免許も手放したくない」という理由から。高齢者は重傷化リスクが高いゆえ、なるほどと思う。
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Amazonの情報を掲載しています■自主返納をためらう高齢者の7割が「クルマがないと不便」
そのコロナ禍という理由に加え、「クルマがないと生活が不便になる」という声が多く、自主返納をためらう高齢者の7割がこの意見という。
そう。クルマは生活するうえで欠かせないモノ。……都市部で暮らす方にはピンとこないかもしれないが、鉄道やバスなどの交通網が不十分な地方部では、移動の手段、買い物や病院などへ行く際、クルマはなくてはならないものという現状がある。
クルマが「自分の足代わりになっている」高齢者にとっては、なおらさ。
クルマが自分の生活に密着していることはわかるが、一方で高齢者になると認知症など、クルマの運転を妨げる症状が出る人がいることも確か。認知症や体の機能低下で、高齢ドライバーが起こす事故は後を絶たない。
その背景のもと、警察庁は「75歳以上の高齢ドライバー」に対して、運転免許更新時の「認知機能検査」を実施している。
これに合格しないと運転免許が更新されないのだが、検査の出題内容は高齢者にとっては難しい。まさに「75歳からの大きな壁」と言っていい。
■クルマを快適・安全に乗り続けるために「脳活ドリル」!!
上の画像が、その「認知機能検査」と同様のもの。4枚のイラストを約1分間で記憶することが1セットで、続けて同様のことを3セット行う。
つまり、合計16枚のイラストを約4分間で記憶し、「16枚は何のイラストかを解答しなさい」というのが出題。中高年世代にとっても、意外とハードルが高い出題内容。これを75歳以上の高齢者が無理なく解くためには、日々の「脳活」がカギとなってくる。
現在、東京医科大学茨城医療センターで脳神経疾患の専門診療に携わりながら、認知症の早期発見や予防研究も行う、日本神経学会脳神経内科専門医・塚本 浩先生はこう語る。
「新しいことにチャレンジせず、今までと同じことばかりをしていると脳は衰えてしまいます。高齢者にとっては脳を鍛えることが重要で、そのためには適度なストレスをかけてあげることです。その意味でも、脳活は重要になります」
脳を鍛えるために有効と、塚本先生が語る「脳活ドリル」。その「脳活ドリル」が多数掲載されている本は、「認知機能検査」に合格するためのよき相棒となるはずだ。
9月16日(月)は「敬老の日」。両親や祖父母へのプレゼントとしても最適となる一冊となりそうだ。
別冊ベストカー
『運転免許認知機能検査 完全攻略本』
総合監修:塚本 浩(脳神経内科専門医)
定価:1320円(税込)
発売日:2024年6月20日
ISBN:978-4-06-535658-6
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