カーオーディオシステムのバージョンアップに興味を抱くドライバー諸氏に向けて、その思いを実行に移そうとするときに役立つ、「製品選びのポイント」を解説している当コーナー。まずは「スピーカー」の選び方について説明している。

◆“取り付け性が高い”モデルなら、総費用の抑制が可能に!

さて今回は、「取り付け性の高いモデル」を選ぶべきであることについて解説していく。

最初に、そうである理由を説明しよう。答は至ってシンプルだ。「総費用を抑えられるから」だ。逆に「取り付け性が低い」モデルを選んでしまうと、車両側の何かを改造しないと付けられないケースが出てくる。そうなると取り付け費用がかさんでしまう。

さらにいうと、車両をリセールに出そうとするときにもコストがかかる。純正状態に戻すためにドアトリム等を買い直す必要性が生じることもあるからだ。

で、問題は「取り付け性」が高いかどうかの見分け方だが……。

1つ、簡単な方法がある。それは「カスタムフィット」とか「トレードイン」と銘打たれているモデルを選ぶこと、だ。この2つの用語はまさしく「取り付け性が高いこと」を示す用語だからだ。

「カスタムフィットスピーカー」の一例(カロッツェリア・TS-F1740Sll)。

◆“取り付け性の高さ”を見極めるポイントは2つある。1つは「取付奥行き寸法」!

なお何をもって「取り付け性が高い」とされているかは、製品によってさまざまだ。取り付けに必要な部材が豊富に同梱されている場合もあれば、サイズ的な汎用性の高さをもってそう呼ばれているモデルもある。

ところで、カスタムフィットとかトレードインとか銘打たれていなくても「取り付け性が高い」と判断できるモデルもある。それを見極めるポイントは、大きく2つある。

1つ目のポイントは、「ミッドウーファーの厚み」だ。スペックとしては「取付奥行き寸法」をチェックするとそれが分かる。この数値が大きいモデルは、ミッドウーファーがドアトリム内にすっぽりと収まらない可能性が高くなる。

具体的には、60mmを1つの目安と考えたい。車種によってコンディションが異なるので一概には言えないが、60mm以下であると多く車種でドアトリム内にすっきりと収まるはずだ。つまり、ドアトリムを改造することなく取り付けられる。

一方、60mmから70mmくらいの間であるとドアトリムの改造が必要となる可能性が出始める。そして70mmを超えるとその可能性がさらに高まる。

「カスタムフィットスピーカー」の一例(ケンウッド・KFC-RS174S)。

◆ツイーターのマウントにも注目! 音的にも取り付け性的にも有利なマウントがある!

チェックポイントの2つ目は、「ツイーターに取り付け用のマウントが付属しているか否か」だ。これが同梱されていると、ツイーターをダッシュボードの上にポンと置いたりAピラーに両面テープにて装着できたりするので、Aピラーやドアミラー裏のパネルを改造する「カスタムインストール」をしなくても済む。

なお、「マウント」にもタイプ違いがいくつかある。で、お薦め度が高いのは、ダッシュボードの上にポンと置いたときにツイーターの振動板がリスナー側を向くマウントだ。そのように取り付けられると、ツイーターから放たれる音情報をより多く受け取りやすくなるので、ステレオイメージの再現性が高くなる。

そしてさらには、ツイーターの向きをある程度変えられるようになっているとより良い。ダッシュボードが傾いている車両でも、ベストな向きを設定しやすくなるからだ。

ところで「取り付け性が高い」モデルはその他にもある。次回はそれについて説明する。お楽しみに。

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