アイシンは9月20日、小型吸収冷凍機による未利用熱活用製品の開発が、NEDO研究開発事業として採択された、と発表した。

アイシンは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラム」に応募。「小型吸収冷凍機による未利用熱活用製品の開発」が採択された。

吸収冷凍機とは、熱をエネルギー源として使用する冷却装置であり、主に空調やチラーに活用できるシステム。冷却のサイクルに熱を必要とするため、発熱を伴う別の装置で発生した未利用熱を活用することで、冷却に必要なエネルギーコストを抑えることができる。

アイシンは、2015年度から2022年度にかけて、東京大学、産業技術総合研究所、未利用熱エネルギー革新的活用技術研究組合と協力し、NEDOの研究開発事業「未利用熱エネルギーの革新的活用技術研究開発」の一環として車両向け小型吸収冷凍機の開発を行った。この開発では、独自の塗布構造の熱交換器を新たに開発し、既存の吸収冷凍機に対し大幅な小型・軽量化を実現した。

今回のプロジェクトでは、これまでの小型・軽量化技術を応用し、燃料電池などのコージェネレーションシステム、工業炉など数kWから数十kWの熱源装置向け吸収冷凍機の開発を目指す。また、小型化により省スペースでの設置を可能にすることで、大型吸収冷凍機の設置スペースが確保できない場所でのニーズにも対応する。

アイシンは、自社内の工場などで発生する未利用熱を空調や製品の冷却に活用することで、エネルギー及びCO2の削減を目指している。今後、2030年以降の社会実装を目指し開発を進め、自社内だけでなく地域社会のカーボンニュートラル実現に貢献していく。

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