2024年7月10日にお伝えしていた、ランドクルーザー300のマイナーチェンジ。そのスケジュールが、年内発売でほとんど固まったようだ。変更内容をおさらいしながら、現在のメーカーやディーラーの動きをお伝えしていこう!

文:ジョー城ヶ崎

※本企画に掲載する情報は、メーカーからもたらされたものではなく、筆者が独自に調査し、執筆したものです。

■異例中の異例なマイナーチェンジ敢行

予約待ちのユーザーを抱えつつ、ランドクルーザー300は異例のマイナーチェンジを実施する

 2021年6月にワールドプレミアが行われ、日本発売は同年8月。現行型は現在で丸3年の販売期間を経過している。

 そろそろ改良が入ってもいい頃合いと思っていたら、2024年末にマイナーチェンジを行うという情報が入ってきた。しかしながら、今回の改良はあくまでも小幅にとどまる。その理由としては、現行型の注文分の生産が完了していないためだ。

 一般的には、すでに入っている注文分は生産を済ませ、オーダー残がなくなったところで改良型へ移行する。しかし、発表時から5年とも言われたランドクルーザー300の納期では、改良前にオーダー残をゼロにすることは不可能だと判断された。

 すでに注文を入れ、納車を待つユーザーには、現行型の予定通りの納車が良いか、改良型でリスケジューリングするかの相談をしているという話もあり、トヨタにとっては、異例中の異例なマイナーチェンジとなりそうだ。

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■変化は小幅に! 進化は着実に!

GRスポーツのインテリア。マイナーチェンジの中身は小規模にとどまるもようだ

 前段のような理由もあり、マイナーチェンジの変更点は小幅なものにとどまる様子。

 ユーザーにとって最も大きいのは、安全装備とマルチメディアの変更か。予防安全技術はToyota Safety Sense3.0へ進化し、衝突被害軽減ブレーキの検知機能が向上する。マルチメディアでは、HDMIが標準化され、T-Connectナビ装着車ではCD/DVDデッキがなくなった。

 この他は、RDE(排ガス)対応、サイバーセキュリティ対応、自転車検知対応と法規対応がメイン。最も気になるエクステリアの変更点は無く、変更は法規対応+α程度とみていいだろう。

 なお、法規対応もろもろで生産コストは上がるため、車両価格も見直されるようだ。十中八九、価格は上がるとみていいと思う。マイナーチェンジ後の価格は11月ごろに、明らかになりそうだ。

 発表・発売は、今年の12月に行う予定で、最終調整が行われている。

■マイナーチェンジで新たなオーダーはできるのか?

マイチェンした車両も、まずは予約待ちのユーザーに振り向けられそう

 マイナーチェンジということで、新たに車両注文枠が各販売店に向けて割り振られる予定だが、まずは現在までに注文を入れ、納車を待つユーザーへ優先的に枠が使われるようだ。仮にその枠がオーダー待ちや予約分を差し引いても余るということなら、一般に開放されるというが、現実的にはなかなか厳しい状況だと思う。

 納車を待つユーザーも、現行型の注文書では新型のオーダーは受けられないため、価格が判明次第改めて注文書を結び直す必要があるユーザー・ディーラー双方から見て、手間のかかる作業だ。しかしながら、丁寧に対応していかなければ、信頼関係にも傷がつく。

 上昇するとみられる車両本体価格分の差額はどうするのかも、現在鋭意協議中ということだが、メーカー・ディーラー・ユーザーの誰かが負担することは紛れもない事実。爆発的な人気があったが故に、このような事態を生んでしまったのだが、新車購入という幸せなイベントに水を差すようで訝しい。

 深化という意味でのランクルの改良は、また次回にお預けとなる。まずは進化し生産を進めることが、ランクルが最も変わらなければならない事なのかもしれない。

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