人も荷物もたくさん載せたい。もちろん、見た目も良くて当たり前! という欲張りなアナタが選ぶべきは3列シート装備のSUVじゃない? 現行モデルのラインナップは少ないけれど、やっぱりカッコいいのが正義でしょ?
文/FK、写真/トヨタ、日産、マツダ、三菱
■ミニバンにはないスタイリッシュなビジュアルなのに7人乗りなんて最高じゃん!
7人乗りの乗用車と聞いて真っ先に頭に思い浮かぶのはミニバン。
人も荷物もたくさん運べるし、イマドキのミニバンはエンジンもパワフルで走りにも不満はない。
でも、見た目においては、どうしてもファミリカー然としていて不満がある、という人も少なからずいるだろう。ならば、7人乗りのSUVを選ぶのはいかがだろうか?
ミニバンに比べるとSUVのほうが室内空間は狭い場合が多く、快適性という面ではミニバンに劣るかもしれないが、それさえ我慢すれば見た目だって機動力だって使い勝手だってSUVのほうがいいじゃない? しかも、2024年秋にはマツダの新しい7人乗りSUV、CX-80が発売されるんだし。
そんなCX-80は、荷室は3列目シート使用時でもゴルフバッグやベビーカーが搭載できる空間を確保するとともに、2列目・3列目シートを折りたたむことでさらに大きな空間を提供。家族旅行や仲間とのアクティビティに必要な荷物を搭載できる。機動力も使い勝手も高そうで何とも魅力的!
でも、いま新車で買える7人乗りのSUVは思っている以上にラインナップが少ないことも事実。
ミニバンに比べると選択肢は少ないけれど、SUVブームはまだまだ続きそうな気配もあることだし、ここはひとつ流行りに乗っちゃうのもいいんじゃない?
■買いたくても買えない? それでも欲しいトヨタ・ランドクルーザーの300
2021年8月のフルモデルチェンジですべてが刷新された現行ランドクルーザーの300。
この300シリーズは、1967年登場の55シリーズから先代の200シリーズがカテゴライズされるステーションワゴンタイプに分類されるランドクルーザーシリーズのフラッグシップとして発売当初から圧倒的な人気を獲得。それゆえに注文が殺到し、現在は生産が追い付かず受注停止となっているほどだ。
そんなランドクルーザーの300シリーズはガソリンエンジンモデルで5つ、ディーゼルエンジンモデルでふたつの合計7モデルで構成されているが、このうちガソリンエンジンモデルの4モデルに7人乗りが設定されている。
“本格オフローダーとしてのタフな強靭さと、洗練された大人の深みを融合”を謳い文句とする300シリーズ。
それを象徴する見た目も特徴的で、歴代ランドクルーザーのヘリテージを追求するべく、キャビンを後ろ寄りに配置したキャビンバックワードプロポーションを採用。
これによって広い室内空間を実現するとともに、乗車人数や荷物の量に合わせた多彩なシートアレンジを可能にしている。
居住性の高さはいうまでもないが、使い勝手の良さも特筆すべきポイントでサードシートはスイッチを押すだけで格納・復帰が可能なフロア格納式を採用。
ZX、GR SPORT、VXの3グレードは格納作動に連動してヘッドレストも自動で倒れる(復帰は手動)機能も標準装備されている。
また、サードシートへの乗り込みもストレスフリーで、セカンドシートはワンアクションで簡単に折りたたみできるセカンドシートタンブル機構を標準装備。500万円以上という車両本体価格を考えれば当たり前とも思えるが、乗員への気配りもうれしいポイントだ。
それに加えて、高次元な走りをはじめ、悪路での耐久性と時代のニーズに対応する新機構、操縦安定性・操作性向上を目指した最新装備、パワーと環境性能を兼ね備えた新パワートレーン、最新世代の安心・安全装備など内容も超充実しているだけに人気が出るのも当然の結果だろう。
■トヨタ・ランドクルーザー250は生活重視のつくりで普段使いにもうってつけ!
2023年8月に発表され、2024年4月に待望のデビューを果たしたランドクルーザー250は、3タイプに分類されるランドクルーザーシリーズのなかでライトデューティタイプに分類される1台。
これまで“プラド”の車名で販売されていたモデルもライトデューティタイプに属するが、最新の250シリーズはプラドの後継に当たるモデルでZX、VX、GXの3つのグレードが展開され、GX以外は乗車定員が7名となる。
ランドクルーザーの中核モデルとして悪路走破性をベースに扱いやすさを付与し、多くの人々の生活を支える役割と使命を担うべく誕生した250。言い換えれば、より生活を重視したつくりになっていることが250の特徴のひとつでもある。
それゆえに、使い勝手の良さもランドクルーザー300以上に考えられており、例えば運転席の着座位置を後方に移動しつつも2列目シートと3列目シートの配置位置を見直すことで、951mmもの広い前後カップルディスタンスを確保。
加えて、6:4分割タイプのセカンドシートを使用した状態で408Lというラゲージ容量もしっかりと確保されている。
また、ランドクルーザー300と同様にスイッチ操作で自動的に格納する5:5分割フロア格納サードシートや、バックドアを開けることなく荷物の出し入れが可能なバックドアガラスハッチを採用するなど、まさに生活重視の機能が充実。
インテリアも実用オフローダーらしい機能性の高さはもちろん、乗員に安心感をもたらす空間を徹底追求。
高さを抑えた水平基調のインパネの造形が乗員への圧迫感を軽減し、直立したAピラーも斜め前方の死角を低減。
スイッチ類も集中配置としながら、形状と操作方法を機能ごとに区別するなど運転に集中しやすいレイアウトが採用されており、普段使いにおける使いやすさも特筆すべきポイントといえる。
■サードシートはやや窮屈ながらも乗り心地は抜群の日産・エクストレイル
2022年7月に9年ぶりのフルモデルチェンジが行われたエクストレイル。
第2世代e-POWERとVCターボエンジンを組み合わせた新パワーユニットや電動駆動4輪制御技術のe-4ORCEを採用した日産の最先端を行く1台は発売開始から約2週間で1万台超えを受注しただけにとどまらず、e-POWER搭載車として発売から最短で1万台超えを達成するなど、その人気ぶりが話題となった。
4WD車の一部で7人乗りが設定されているエクストレイル。そのサードシートには5:5分割タイプのリクライニング付ダイブダウン機構を有した可倒式が採用されている。
しかし、長さ2755mm、幅1640mm、高さ1190~1210mmを誇るランドクルーザー300や長さ2685mm、幅1600mm、高さ1190mmを誇るランドクルーザー250の室内サイズに対し、エクストレイルは長さ2530mm、幅1540mm、高さ1255mmと全体的にひと回り狭いだけにサードシートもそれなりに窮屈なポジションをとらざるを得ないことは否めない。
とはいうものの、短時間の移動時や小さな子ども用として使えることは言うに及ばず。リアドアの開口角も約90度まで開くことから後席への乗り降りがしやすく、またリアドア下部がサイドシルを覆う構造を採用することから乗り降りの際に服が汚れにくくなっているのもうれしいポイントだ。
加えて、乗る人すべてに快適な乗り心地を提供するe-4ORCEにも注目。
前後2基の高出力モーターと左右のブレーキを統合制御することで4輪の駆動力を最適化し、あらゆるシーンや路面状況において意のままの走りを可能にしたe-4ORCE。
市街地走行の減速時においても前後のモーターそれぞれで回生量を調整して車体の挙動を安定させ、乗員の頭の前後の揺れも大きく軽減するという優れモノでもあるのだ。
■運転者と同乗者に使い勝手の良さと心地良さを提供する三菱・アウトランダーPHEV
PHEV×SUVという新たなカテゴリーを築いた三菱のフラッグシップモデルとして、2021年と2022年の2年連続でPHEV国内販売台数第1位を獲得したアウトランダーPHEV。
2005年の発売以来、3世代に渡ってグローバル展開するアウトランダーだが、2021年12月に約9年ぶりとなるフルモデルチェンジを行って現在に至る。
力強くて滑らかなモータードライブによる走りや先進の四輪制御技術による理想的なハンドリングと高い操縦安定性がアウトランダーPHEVの大きな魅力だが、走行時の車体姿勢の変化をつかみやすい水平基調で力強い造形のインストルメントパネルを採用したインテリアも好評だ。
そんなアウトランダーPHEVは4グレードあり、そのうち、3つのグレードで7人乗りが選べる構成となっているが、アウトランダーPHEVもまたサードシートは簡単に床下収納できる構造が採用されており、サードシート未使用時はゴルフバッグ(9.5インチ)が4個、スーツケースが3個収納可能なフラットな荷室に早変わり。
セカンドシートも4:2:4分割タイプを採用することで長尺物を搭載しても2名が乗車できるようになっており、かつワンアクション操作で折りたためるフォールディング機構も採用。折りたたむ際に、わざわざリアドアを開けて操作する必要もない。
加えて、メモリースイッチに連動して登録した運転席&助手席シートやサイドミラーのポジションを呼び出すことができる便利なシートポジションメモリーを一部グレードに標準装備されるなど内容も充実している。
エクストレイルと同じプラットフォームを採用するアウトランダーPHEVなだけにサードシートは少々手狭であることは否めないが、使い勝手の良さや上質な心地良さを同乗者だけでなく、ドライバーにも提供してくれることは間違いない。
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