日本で言うところのオービスや移動式オービスに嫌悪感をもつ人は多いはずだ。そんな中、アメリカではまた新しい速度超過を取り締まる機能が特許申請された。もし日本に導入されたら…恐ろしい話だが決してないとは言い切れない。ぜひご一読あれ。
文:古賀貴司(自動車王国) 写真:ベストカー編集部
■フォードが生み出した新しい取り締まり方法
特許出願・申請をしたからといって、必ずしもその技術が普及するわけではない。権利の対象となる発明の実施(生産、使用、販売など)を独占でき、権利侵害者に対して差し止めや損害賠償を請求できる、という権利を得ることになる。
フォードが出願・申請した特許がちょっとアメリカを賑わせている。なんでも車両に搭載したセンサーで“大幅に”速度違反をしている車両を検知するシステムだ。
一般車両が速度超過している車両を検知すると、自動的に違反車両の写真を撮影して詳細な情報を警察に中継する技術の特許である。ナンバープレート、車種、モデル、色、車体の損傷、ステッカー、アフターマーケット部品など、識別可能なあらゆる特徴を画像に収める。
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■賛否両論の取り締まりシステム
「速度違反検知のためのシステムと方法」と題された特許出願・申請の書類を読むと、撮影された写真はパトカーや道路側の装置(スピードカメラの類)に送信される。IoT技術を使って違反車両の追跡を継続するのだ。
情報を受け取ったパトカーは、ダッシュボード画面や車内オーディオシステムを通じて指示を受ける。これにより、法執行機関が道路上の行動を監視しやすくなる、というものだ。
「違反しなければイイだけのこと」と思うのか「国民総監視時代におけるプライバシー侵害」を危惧するのか、は読み手次第だろう。
間もなくEU(イギリス含む)では速度超過警告システムの標準装備化が始まる。走行場所によって異なる制限速度だが、カメラやセンサー技術によって適宜、速度超過に対して警告音を発するもの。
技術的には制限速度以下まで自動的に減速させることも可能だったようだが、大きな反発にあったとか。
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■他のもあったフォードの変わった特許申請
特許出願・申請書類には、この技術が一般消費者向けの車両に使用できるかどうかは記載されていないが、警察に販売する車両にのみ適用されるとも明確には述べられていない。
基本、どのようなプログラムだろうと魔改造(ハッキング)できる人たちがいると思うと色々心配になるが…。
なおフォードは、つい最近、自動車ローンの支払いが滞った際、車両を遠隔でロックする特許出願・申請をしたことでも話題になっていた。
なんとステアリングホイール、ブレーキ、エアコンなどを無効化、さらに滞納者が車に乗り込んでいる際はステレオを大音量の音で鳴らすことも可能な技術であったが、世間の批判にさらされ出願・申請を取り下げている。
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