クルマ好きなら知ってる通り、日産スカイラインは北米や中国でインフィニティQ50として販売されている。そいつと同じ「50」を背負うSUV「QX50」が2025年モデルに進化した。こいつはまさに現代版スカイライン クロスオーバー、日産よ、日本に入れてくれ!
文:ベストカーWeb編集部/写真:Infiniti
■可変圧縮エンジンを初搭載したQX50
QX50の歴史をおさらいしておきたい。もともと日産は、日本で「スカイライン クロスオーバー」として発売されたクルマを北米では「インフィニティEX」として発売した。
このEXが、インフィニティのブランド戦略の変更(QとQXという欧文でカテゴリーを、数字でモデル名を表す)によって車名を改めることになった。それを受けて2014年に誕生したEXの改名版が「QX50」だ。
この初代QX50は2017年まで作られたのだが、同じ年に2代目モデルが登場する。これが現在まで続くQX50の現行モデルだ。
2代目モデルの特長は、これまでFRを基本としてきたインフィニティとしては例外的にFFを採用したこと。プラットフォームはエクストレイルや三菱アウトランダーと同じCMF-C/Dだが、ホイールベースはそれらより長い2800mmを誇る。
なんでQX50はFFになったのか。それは日産に技術力の象徴ともいえるVC(可変圧縮比)ターボを搭載するため。VCターボとなる2LのKR20DDETは横置き設計のエンジンのため、QXはFFと、モーターを組み合わせたインテリジェント4WDモデルになったのだ。
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■ハリアー対策でこいつを日本に入れてくれ!
2024年9月17日、そんなQX50に2025年モデルが発表された。発売9年目を迎えるとあって、2025年モデルではグレードの簡素化が図られ、ピュア、ラクス、スポーツという3グレードに絞られている。駆動方式はFFが廃止され、4WDのみとなった。
グレードの中でもっとも華々しいのは「スポーツ」。ルーフレールやウィンドウトリム、フロントグリル、エキパイフィニッシャーなどがブラックアウトされ、精悍さを増している。ホイールは20インチのダーク塗装だ。
パワーユニットはKR20DDETが健在。圧縮比を8から14まで可変できる日産のハイテクエンジンで、2Lの4気筒ながら268ps/38.7kgmというパワーを誇る。
室内だが、FF化によって広がったキャビンスペースがQX50のウリ。全長4695mm、全幅1900mmというミディアムサイズSUVだが、ラゲッジルームは1048Lと広大で、セカンドシートはスライドさせることも可能だ。
インフォティンメントは最新仕様にアップデート。8インチと7インチのデュアルスクリーンで多彩な情報やコンテンツが楽しめる他、アンドロイドオートあるいはアップルカープレイにも対応する。USBポートは計4つ、スマホのワイヤレス充電も標準だ。
改めて日産に言いたいのだが、日本のSUVモデルがキックスとエクストレイルしかないのは寂しすぎる(アリアを除く)。ぜひともこのQX50をスカイライン クロスオーバーとして発売してほしいものだ。前回は時代が早すぎたが、今回ならハリアーの対抗馬としてヒットすると思うのだが……。
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