一見ゼロヨンとは無縁に思えるクラウンとトライトン。そんな2台が今回、ゼロヨンの地に参戦した。街中を走る姿からは想像も出来ない様な鋭い加速はあのGRヤリスにも匹敵するほど。衝撃的な速さをその目に焼き付けよ!
※本稿は2024年8月のものです
文:ベストカー編集部/撮影:奥隅圭之/写真:トヨタ、三菱
初出:『ベストカー』2024年9月26日号
■トヨタ2.4Lターボハイブリッドの実力は?
クラウンクロスオーバーRSに搭載される「デュアルブーストハイブリッドシステム」は直4、2.4Lターボエンジン(272ps、46.9kgm)に82.9ps、29.8kgmのフロントモーター、さらに後輪駆動用のeAxle(80.2ps、17.2kgm)を組み合わせたパワーユニット。システム出力は349psを発揮する。
「スタートの瞬間、ググっとリアが押す感覚で一気に発進していきます。ただ、走り出した後はちょっと車重の重さを感じる加速です。速度を上げていっても直進性は安定して安心感はありますが、風切り音が少し気になりました。最低地上高を高めたモデルだからでしょうか?」と鈴木利男氏はクラウンを評価する。
クラウンのゼロヨンタイムは14秒177、0→100km/h加速は6秒061だが、これ、GRヤリスRZといい勝負。ゼロヨンはGRヤリスがリードした一方、0→100km/h加速は0.4秒弱クラウンが上回った。
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■マイチェンで更にパワーアップしたGRヤリス
「GRヤリスはマイチェンでトルクが厚くなりましたね。6速MTのギアレシオも適正で、トルクバンドを活かしてポンポンシフトアップして加速します。新たに加わった8速ATを試してみたいですね。各ギア段のステップが小さいので、ATのほうが速いかもしれません」と利男氏は分析する。
ちなみにマイチェン前のGRヤリスのゼロヨンタイムは14秒020で、今回の14秒037をわずかに上回るのだが、以前のテストは気温も湿度も低い11月。
今回は早朝とはいえ気温30度を超え、湿度も高い猛暑の中のテストで、特にターボエンジンにとってはパフォーマンスを発揮しづらい条件だったことを考慮すれば、充分な動力性能だったと言えるだろう。
それにしても、GRヤリスとクラウンクロスオーバーがほぼ同じ動力性能というのも凄い話だ。
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■楽しさバツグンのトライトン
「ところでトライトン、もの凄く楽しいんだけど!」
鈴木利男氏が満面の笑みでスタート地点に戻ってきた。
「出足はディーゼルターボのトルクでグググと押し出されます。ま、最初の30mくらいですけどね。6速ATはシフトショックも小さくて、全開加速でも粗さはありません」との評価。
ゼロヨン16秒819って、1980年代のセリカXXツインカム24やZ31型フェアレディZの2Lターボのタイムに匹敵する。ちなみにトライトン最高速は164.39km/hで、今回のテスト車で唯一速度リミッターが作動しなかった。
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