フォルクスワーゲンは10月2日、新型EVセダンの『ID.7 Pro S』が、1回の充電で794kmの航続を達成した、と発表した。これは、同モデルの最大WLTP航続距離の709kmを上回る結果だ。

スイスのフォルクスワーゲンチームが、プロジェクトリーダーのフェリックス・エゴルフ氏の指揮のもと、実際の交通状況下でこの記録を達成した。

走行はチューリッヒ南部のツーク都市圏で行われた。ルートは日常的な運転環境を再現し、主要道路や高速道路、丘陵地帯を含む構成だった。8人のドライバーが2日間にわたり交代で運転し、794kmを走破した。これは、『ID.7』が製造されるドイツ北部のエムデンからバーゼルまでの距離に相当する。

VWのEVセダン『ID.7』が1回の充電で794km走行

平均消費電力は10.3kWh/100kmと低く、ディーゼル換算で約1.1リットル/100kmに相当する。この結果は、ID.7 Pro Sの最も効率的な装備バージョンではないモデルで達成されたものである。WLTP計算によれば、オプション装備を含むこのモデルは最大700kmの航続距離を持つ。

ID.7 Pro Sは、効率的なドライブシステムと優れた空力特性(装備により空気抵抗係数は0.23)を備えている。オプション装備に応じて、WLTP消費電力は16.2~13.6kWh/100kmとされている。充電時間も短く、200kWの充電パワーで10分間の充電で約244km分のエネルギーを補充できる。

また、ID.7にはEVルートプランナーが搭載されており、現在のバッテリー残量と利用可能な充電ステーションを考慮して最適なルートを計算する。このシステムはリアルタイムの交通データも考慮し、最速かつ最も便利なルートを提示する。

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