ホンダは、四輪車生産拠点の埼玉製作所 完成車工場(埼玉県大里郡寄居町、以下、寄居工場)の敷地が、環境省の定める生物多様性の保全区域「自然共生サイト」として認定された、と発表した。
ホンダは2022年4月より、環境省が主導する「生物多様性のための30by30アライアンス」に参画している。同社の所有する敷地が自然共生サイトに認定されるのは、2023年10月のモビリティリゾートもてぎ(栃木県)に続き2件目で、生産拠点としては初めてとなる。
「30by30」は、2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として保全する国際的な目標として、2022年12月に開催された生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)で採択された。日本では、環境省主導で「生物多様性のための30by30アライアンス」を設立し、自然共生サイトの認定を進めている。
ホンダの埼玉製作所 完成車工場(寄居工場)での生物多様性への取り組み寄居工場は、ホンダの四輪完成車生産におけるグローバルマザー工場として、2013年に稼働を開始した。同社は、工場運営による地域生態系への影響を低減するため、敷地の30%近くを生物多様性に配慮した緑地として保全するだけでなく、「里山管理」を企業として実施することで、地域経済と生物多様性の保全の両方に貢献することを目指している。
今回、こうした活動の実績が評価され、寄居工場の敷地95.1haのうち、27.2haが自然共生サイトとして認定された。認定された敷地は緑地と隣接しており、周囲の鉄道や道路などの人為的影響から動植物を守る樹林地の役割を果たしている。
寄居工場では、従業員や地域住民を対象に、水田ビオトープや竹林などを活用したイベントを開催し、生物多様性の主流化に向けた普及啓発などにも貢献している。
ホンダは今後も、環境に配慮した工場運営と地域との共生を通じて、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを続けていく。
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