100%受注生産の平ボディを専門とするパブコ近畿工場が製作した、UDクオンベースの平ボディ。鋼材から小型船舶まで何でも運べる万能性と、ドライバーの安全対策、高齢化対策が充実したオーダーメイド平ボディの実力をレポートしました。

文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
※2024年9月10日発売「フルロード」VOL54より

背の高いクルーザーも楽々運べるオールマイティな平ボディ

パブコが製作した平ボディ。ベース車両はUDクオンCGだ

 パブコは明治34年(1901年)に設立された国内最古の架装メーカーのひとつ。神奈川県海老名市にある同社本社工場はウイングボディなどのカーゴ系ボディの生産拠点として知られている。

 一方、奈良県大和郡山市にある同社第二の生産拠点、近畿工場は100%受注生産の平ボディが専門。今回紹介する大型平ボディも、この近畿工場でつくられている。

 ユーザーの三原運送(岡山県笠岡市)は鉄鋼/製缶製品輸送や小型船舶輸送などを幅広く手がけており、平ボディは鋼材からクルーザーまで、何でも運べる万能車という位置付け。

 パブコ製平ボディは2台目で2年前に導入した1号車は背の高いクルーザーを運べるよう、荷台の床面を低くすることにこだわった。ドライバーの安全対策や高齢化対策も図り、今回の2号車ではその機能性をさらに強化しているという。

運んだあとの洗車のことまで考えたホスピタリティあふれる荷台

背の高いクルーザーに対応する機能を多数搭載した荷台

 ベース車両はUDトラックス・クオンの車両総重量25トン級4軸低床8×4リアエアサスシャシーのフルキャブ/ハイルーフ仕様(CG5FA)。

 荷台の床面を下げるため、縦根太、横根太は通常よりも低いタイプを採用。強度を落とすことなく低床化を実現するため、パブコ独自の低床化技術を投入しており、強度を確保しながら床面地上高ジャスト1000mmを実現する。

 5方開のアルミブロック製アオリを擁する荷台は、2年前に製作した1号車で好評だったサイドアオリをチェーンで水平に固定する機能、洗車時にウェスが絡まりにくいカバー付きアオリヒンジを継続採用。

 さらに今回は「床面を掃除する際に完全にフラットにしたい」という要望に応えて、可倒式のリアポストを新規採用。クルーザーを運ぶ際に船体を荷台に固定するための治具を収めるスペースも新たに搭載した。

 鳥居はスチール製骨格にアルミ製縞板を張ったもので、背面に3パネルのキー付き防水収納を装備。奥行きは200mmだが、サイドの枠を細くして、そのぶんハシゴの幅を広げて足をかけやすくするなど、ドライバーの負担軽減も図られている。

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