両社のライバル関係は長期的かつ多岐にわたり、双方の個性的な車種同士が人気を競い合っている。どちらかが圧勝したケースもあれば、僅差だったものもあるが、ここでは1990年代以降のライバル関係について振り返る。
※本稿は2024年8月のものです
文:渡辺陽一郎/写真:ベストカー編集部、日産、ホンダ
初出:『ベストカー』2024年9月26日号
■ハイトワゴン(コンパクト):初代日産 キューブ vs ホンダ キャパ
1998年頃の日産は、業績の回復を目指しており、背の高い1.3Lのキューブでもよく曲がる運転の楽しさを表現したが乗り心地は少し硬かった。
その点でキャパには重厚感が伴う。外観は地味だがエンジンも1.5Lで満足できた。
■ハイトワゴン(ラージ):日産 ルネッサ vs ホンダ アヴァンシア
過去30年間に登場した日産車で、ルネッサは一番の駄作だ。電気自動車にも使えるプラットフォームは、電池を収めるために床が高く、高重心で室内高は不足した。
その点でアヴァンシアは、ボディは重いが車内は広い。
■コンパクトミニバン:日産 キューブ キュービック vs ホンダ モビリオ
ミニバンは広く大きく見えることが大切だが、キューブキュービックは逆の開発を行い、3列も狭く失敗した。
モビリオは燃料タンクを前席の下に搭載して3列目の床が低く、窮屈な姿勢にならない。空間効率が優秀だった。
■乗用タイプミニバン:初代日産 プレサージュ vs 2代目ホンダ オデッセイ
初代プレサージュは、ルネッサのプラットフォームを使って開発。全高は1700mmを超えたが、室内高が足りない。
オデッセイは低床設計で、全高は1630mmだが室内高はプレサージュを上まわり安定性も優れていた。
■コンパクトクロスオーバーカー:日産 ラシーン vs ホンダ シビックシャトルビーグル
ラシーンはコンパクトSUVだが、車内は狭く実用性も低い。ユニークな外観が特徴だった。
対するシビックシャトルビークルは、2代目シャトルの発売から7年後に追加されたSUV風の仕様だ。走りは古いが車内は広かった。
■ミドルクラスFFセダン:初代日産 ティアナ vs 4代目ホンダ インスパイア
ティアナはセダンなのに全高が1475mmと高く、4名乗車も快適だ。インパネの周辺も落ち着いた雰囲気で、上質なLサイズセダンだった。
当時のインスパイアは北米指向が強く、スポーティだが日本の好みに合わなかった。
■2Lクラス スポーツセダン:2代目日産 プリメーラ vs 6代目ホンダ アコード
2代目プリメーラは人気の初代より後席が広い。機敏な走りは薄れて存在感も弱まったが、安定性と実用性は高い。
アコードは3ナンバー車の5代目が売れず、6代目セダンを5ナンバー車に戻してスポーティ感覚を蘇らせた。
■ラージセダン:初代日産 フーガ vs 4代目ホンダ レジェンド
初代フーガはセダンでも全高が1500mmを超えて居住性が実に快適。内外装はスポーティで、乗り心地は硬めだが安定性はよかった。
4代目レジェンドは、後輪左右の駆動力を変化させるSH-AWDで運転感覚が優れていた。
■ミドルクラスSUV:初代日産 エクストレイル vs 2代目ホンダ CR-V
初代エクストレイルは、前輪駆動ベースのシティ派SUVながら悪路向けのような野性味も併せ持ち、直線基調の外観は視界もいい。荷室も実用的だ。
2代目CR-Vは初代を少し拡大して使い勝手を高めたがインパクトは弱かった。
■ラージミニバン:日産 エルグランド vs ホンダ エリシオンプレステージ
2代目エルグランドは、初代と同じ後輪駆動だから床が高い。乗り心地は向上したが、安定性に不満を感じた。
プレステージは前輪駆動で床が低く安定性も優れ、V6・3.5Lは当時の280ps規制を破って最高出力は300psだ。[
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