高級ミニバンといえばアルファード/ヴェルファイアの2強時代が長らく続いているが、かつてホンダも本気で挑んでいたのだ。それこそがエリシオンプレステージで、内容がさすがホンダで300馬力の3.5Lエンジンを搭載!! 走りがハンパないミニバンであったのだ。ド派手フェイスでかなり押し出しも強かったのだが、なんでエリシオンはアルファードほどの人気者になれなかったのか!?!?!?!?!?
文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部
■ラグレイトの後継も高級感マシマシで勝負!! キモはエンジンだった
初代エルグランドがそのジャンルを開拓し、現在ではアルファード/ヴェルファイアの一強状態となってしまっている高級ミニバン市場。しかし他メーカーもその状況を指をくわえて眺めていたわけではなく、果敢にもそのジャンルに新型車を投入していた。
2004年5月にホンダが投入したエリシオンがまさにそれで、それまで販売されていた大型ミニバンのラグレイトの後継車として登場した。
実質的な先代モデルであるラグレイトは、大柄なボディを持つミニバンではあったものの、その実は北米向けに作られたオデッセイを日本向けに小変更をして販売していたものであった。
そこまで高級感のあるものではなく、ボディサイズも日本では持て余してしまうほどだったので、日本向けのフラッグシップミニバンとして開発されたのがエリシオンだったのだ。
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■ド派手顔でマフラーも4本出し!! プレステージこそオラオラミニバンだった
新世代プレミアム8シーターをコンセプトに生まれたエリシオンは、当初から直列4気筒2.4LとV型6気筒3.0Lの2つのパワートレインを設定し、アルファードを追従していたが、2007年1月に更なる上級モデルとして「エリシオンプレステージ」を追加設定する。
このモデルは「アグレッシブ&ダイナミック」をコンセプトに生まれたもので、フロントマスクやテールランプはシャープな印象のエリシオンに対し、大型ライトや大型グリルに加え、4本出しのマフラーなどで迫力のあるスポーティなスタイルで表現。
インテリアもインストルメントパネルと一体化した大型センターコンソールを備え、パーソナル感と上質で存在感のあるデザインとすることで差別化を図っていた。
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■アルファードよりデカいエンジンで勝負!! ミニバンなのに300馬力ってマジかよ
そんなエリシオンプレステージの最大の特徴はそのパワートレインで、当時のアルファードを上回る排気量のV型6気筒3.5LのVTECエンジンを搭載していたのだ。
当時のエルグランドにはV6 3.5Lエンジンを搭載する仕様が存在していたが、そちらは240PSであったのに対し、エリシオンプレステージはなんと300PS(2WDモデル)という大パワーを発生し、当時のミニバン最強のスペックを誇っていたのである。
もちろん大パワーに合わせて専用のサスペンションチューニングがなされ、大径の18インチホイールの採用やサスペンション取り付け部の剛性アップなど、走りにまつわる部分も抜かりなく手を加えたほか、アクティブノイズコントロールを採用して高い静粛性も合わせて持っていた。
しかし、このクラスのミニバンを求めるユーザーの中で卓越した走行性能を求めるのは一部のコアなファンのみで、多くのユーザーは高級そうなルックスのモデルを安く買えることが最大の魅力だった。
そのため、スタート価格が350万円を超えるエリシオンプレステージよりも、300万円を切る価格で手に入れることができるアルファードの方が魅力的に映ったのだ。
ホンダも2007年8月にエリシオンプレステージにも2.4Lモデルを追加するが、それでも315万円からと価格でのアドバンテージを得ることはできず、2008年5月に2代目アルファードが300万円からという価格で登場し、トドメをさされることになってしまった。
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