ビッグマイナーチェンジで、次世代フロントマスクに変え、大きくイメージチェンジをはたしたシトロエンのMPV、ベルランゴ。日本では2020年の発売以来、1万台以上を販売してきた大ヒット車だ。さて、マイナーチェンジでどう変わったのか、見ていきたい。

文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部、ステランティスジャパン

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■あなたはどっちの顔が好きですか?

ビッグマイナーチェンジしたシトロエンベルランゴ。愛嬌のある顔から精悍な顔付きになった

 2020年の日本導入以来、輸入車CセグメントMPVにおいて、ルノーカングーやBMW2シリーズ、VWゴルフトゥーランなどを抑えてNO.1となっているベルランゴ。ちなみに販売台数は2021年が2805台、2022年が2037台、2023年が2846台。

 そのベルランゴが登場以来、初のビッグマイナーチェンジが実施され、10月4日から発売開始された。

マイナーチェンジ前のシトロエンベルランゴ

 注目はやはりフロントマスク。通常、マイナーチェンジでは小変更程度で、劇的に変わるデザイン変更は少ないが、ベルランゴの顔を見てビックリした方も多いのではないだろうか。

 新型は2022年のパリ―モーターショーで発表されたBEV、「Oli(オリ)コンセプト」の流れを汲む新世代シトロエンデザインで、本国では新型C3やC3エアクロスに採用。大型のダブルシェブロンはシトロエン創業時のロゴをオマージュした新型ロゴでグリル中央に配置されている。

2022年に発表されたBEV、シトロエンオリコンセプト

 ドアサイドやバンパーにあったエアバンプのモチーフがなくなり、リアゲート回りの大きな変更はないものの、中央にあったダブルシェブロンのロゴがなくなり、左にはシトロエンロゴが、右にはベルランゴのロゴが配置された。

 元の顔がわからないほどの大きなフェイスリフトだが、みなさんはどう感じているのだろうか? 過去、マイナーチェンジでこれほど大きな規模で顔を変えたクルマはないか思い出してみたが、小程度ではS14シルビア、2代目インプレッサ(丸目→涙目→鷹の目)。元のクルマの面影があまりないクルマとしては、フィアットムルティプラ、三菱ディンゴ、三菱デリカD:5などがある。

 さて、劇的に変わったベルランゴの顔を発表会場で見た担当はどう思ったか? 先代ベルランゴは愛嬌のある顔(猫やネズミか?)で、それが大ヒットの一因になっていたと思うのだが、海外で発表された写真を見た段階では、「人気なのにキープコンセプトではなく、こんなに変えて大丈夫なのか?」「前のほうが好き」などと悶々としていたのは正直な感想。

コの字型とも違うヘッドライト形状に大きなダブルシェブロンのロゴが目立つ

 では実車を見た後の感想はどうだったのか? 「写真よりも実車の方がいい」「愛嬌のある顔からカッコいい顔へ」「ミニバンらしい精悍な顔が欲しかった人にはいいかも(日本車に多い)」などと頭のなかがぐるぐる……。まあデザインは個人の主観に依ることが大きいのでこれ以上のことは言及しないほうがいいだろう。

 すでにデビューから6年を経過しているし、シトロエン全体で次世代デザインに移り変わっている最中だけに順当なデザインの進化といえなくもない。

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■インテリアの変更もそこそこ大きい

2スポークで上下がフラットなステアリングと10インチディスプレイが特徴

 インテリアの変更も大きい。マイチェン前のベルランゴのインパネは、基本商用車がベースということもあり、ほぼハードプラスチックが使われており、そのうえで、マーブル模様やベルト加飾があしらわれた助手席側のグローブボックスなどデザインに工夫が加えられており、道具感のなかにオシャレさがあった。

 マイチェン後のベルランゴはどうか? 全体的なインパネのデザインは変わらないものの、ブラック&グレーという配色の落ち着いた雰囲気になった。

 ステアリングは3本スポークから2本スポークとなり、わずかに楕円形の上下はフラットに。メータークラスターはアナログからフル液晶のデジタルメーターに変更され、シフトセレクターはダイヤル式からつまんで変更するタイプとなった。

 中央のディスプレイは8インチから10インチにサイズアップし、センターコンソールにはCarPlay/Android Autoに対応したType-C のUSBコネクタが装着される。

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■ラインナップと価格

2列5人乗りと3列7人乗りのロングをラインナップ

 ベルランゴの2列5人乗り標準ボディは全長4405×全幅1850×全高1830mm、ホイールベース2785mm。3列7人乗りロングボディは全長4770×全幅1850×全高1850mm、ホイールベース2975mm。

 5人乗りモデルは、車内に解放感をもたらすガラスルーフと多機能ルーフストレージをひとつにした「Modutop(モジュトップ)」をマイチェン前モデルに引き続いて採用。20カ所以上の豊富な収納スペースを備えている。

3列シート7人乗りのロング

 7人乗りモデルは、2列目シートを畳んだ際の最大ラゲッジ容量が2693Lと荷室の容量を最大化。さらに助手席を畳むことで、サーフボードなどの長尺物が積載可能な3060mmのスペースを活用できる。(5人乗りモデルは最大2126L、2700mm)

リアゲートを開けずにガラスハッチを開けて荷物の出し入れができる

 ボディカラーは新色の「ブルーキアマ(ブルーメタリック系)」、「グリーンシルカ(モスグリーン系)」、「ブランイシ(ホワイト系)」の3色展開。

 パワートレーンは130ps/300Nmを発生する1.5L、直4ディーゼルターボに8速ATを組み合わせる。WLTCモード燃費は18.1㎞/L。

ベルランゴロングMAX ブルーHDiは457万円。ボディカラーはブルーキアマ

 価格はベルランゴMAXブルーHDiが439万円、ベルランゴロングMAX ブルーHDiが457万円。そして新型モデルを記念した特別仕様車ベルランゴMAX XTRローンチエディションブルーHDi(ボディカラーはブルーキアマ)を457万2500円でラインナップ。

 ベルランゴMAX XTRローンチエディションブルーHDiの専用装備は以下の通り。

・アドバンスドコンフォートシート(フロント)
・17インチホイール
・フロント/リアスキッドプレート
・専用カラーダッシュボード
・専用エアバンプカラーアクセント
・XTRバッジ

 主なターゲットユーザーは、国産ミニバンからの乗り換えユーザーということだったが、はたして新規ユーザーを獲得できるか?

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