日本市場ではアイコニックな『アイオニック5』に次ぐBEVとして導入されたのが『コナ』。そのバリエーションとして追加されたのが、この「Nライン」だ。読者の皆さんにはすでに“耳タコ”かもしれないが、BMWのMに対するMスポーツ的なシリーズ、グレードと見做せばいい。

◆“ふた手間”くらいかけたスポーティデザイン

ヒョンデ コナ Nライン

前段で“……的な”と書いたのは、このクルマはベースグレードに対して、外観、内装の専用化に主眼を置いているため。外観ではあの「アイオニック5 N」ほどのヤル気満々なムードは漲らせていないものの、それでも元のデザインと較べれば大型のウイング状のリヤスポイラーを装着していたり、前後バンパー部分も、ディテールにふた手間くらいかけたデザインが与えられている。

タイヤ&ホイールも19インチでベース車と同サイズだが、アルミホイールは黒ずくめ(?)の専用デザインでディフューザー形状の凝ったリヤバンパーなどとともに“洗車マニア”なら気持を奮い立たせそう。ボディ色には4色が用意される(ソリッドの白以外の赤、黒、グレーは有料色とのこと)。

インテリアではアルカンターラ+本革の専用フロントシートほか、インパネ、ステアリングホイールのステッチに赤の挿し色を用い、スポーティムードを盛り上げる。

ヒョンデ コナ Nライン

◆シットリ、フラットな乗り味アップ?

実車はアイオニック5に対してグッとコンパクトなこともあり、とにかく取り回しがラク。

足回りなどは「ベース車両とは共通」(ヒョンデ)とのことだが、以前に試乗したNラインではない仕様と較べ、全体のシットリとしたタッチとフラットな乗り味が増したように思えた。Nライン以外は知らない乗り心地・NVH評価担当の我が家のシュン(柴犬・2歳7か月)も、試乗中、まったく問題なしといった表情だった。

204ps/255Nmのモーター、64.8kWhの駆動用リチウムイオンバッテリーで一充電走行距離541km(WLTCモード)、車重1790kgというスペックをもつが、アクセル操作とパワー感はごく自然でクセはない。走行モードをSPORTに切り替えれば必要十分以上の加速が得られるし、左パドルで好みで減速の強さ(完全停止までできる)を選びながら走ることもできる。

ヒョンデ コナ Nライン

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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