トヨタのグランエースが生産終了になっていたという。でもまだまだモデルライフが新しいんじゃ??? 急な販売終了に「なぜ」が多く浮かぶが、ベストカーなりにその要因を調べてみました。

文:ベストカーWeb編集部/写真:編集部、トヨタ

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■導入目的は企業やホテルの顧客輸送

堂々たる体躯は見る者を圧倒する

 グランエースの投入目的は企業やホテルなどの顧客輸送などだった。ホテルなどでは5人家族のファミリー客に対して、スーツケース3つ程度となればミニバンでは対応しきれない。

 そこで10人乗りのハイエースワゴンなどがこれまで投入されてきたが、一定レベルのホテルであればやはり「ハイエースというのもちょっとねぇ」というホテル側のおもてなしレベルを察する傾向があった。

 そこである程度の豪華さを持った大型バンの需要が出てきた。インバウンドを国を挙げてプッシュする動きもあって、トヨタは切り札としてグランエースを出してきたとみられる。

 ベースは東南アジアで販売している300系ハイエースになるが、タイでは「タイエース」という愛称もあるように非常に豪華な内装を誂えたモデルがたくさんある。

 それをベースにトヨタ車体いなべ工場で生産されるグランエースだけに、日本国内での需要は非常に大きいと見込まれていた。サイズは全長5300×全幅1970×全高1990mmの超巨大サイズだから、圧倒的に法人需要を見込んだものなのは間違いない。

■やっぱりちょっと大きすぎたのか?

アルファードなどとはまた違った広さをもつグランエースのシート

 インバウンド大盛り上がりな日本だけにさぞやグランエースも大人気と思いきや、なかなか難しい状況にあったようだ。月間販売台数は60台といった月もあった。

 ゆったりと乗れる2列目などを含めてやはりアルファードやヴェルファイアなどと違った贅沢さもあり、堂々たるサイズでその存在感はかなりのものだった。

 しかし販売はなかなか振るわずなのか、なんと2024年4月で生産終了をしていたというではないか。では失敗作だったかといえばそうではないだろう。

 トヨタとてこれだけ買い手を選ぶ車種が爆発的に売れるとは見込んでいないはずで、やはりグランエースが日本市場に存在することの意義をしっかり貫いたと見るのが自然。

 搭載される名機1GDエンジンはハイエースやランクルシリーズにも使える2.8Lディーゼルだし、グランエースの車台は前述したとおり東南アジアでは現役の存在。コスト的にもしっかりとペイできる存在なのだ。

 また需要が高まった時期にひょこっと帰ってきそうなグランエース。とりあえずはお疲れ様と言いたいところ。

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