秋の行楽シーズンに入り、知人や仲間と遠出の計画を立てている人は多いことでしょう。離れた場所に住む知人たちと、一台のクルマに乗り合わせて目的地に向かうという際、悩ましいのが待ち合わせ場所。自宅まで迎えに来てもらうのも気が引けるし、鉄道の駅だと、一度、高速道路を降りなければならない…という状況でも、絶対に利用してはならないのが、高速道路のバス停です。
文:吉川賢一/アイキャッチ画像:Adobe Stock_kikisora/写真:Adobe Stock、写真AC
高速バスのバス停でピックアップすることは、道路交通法違反
高速道路の路線バスである高速バス。高速道路には、乗客が乗り降りするための停留所が設置されており、停留所近くの階段などで一般道へと接続しています。停留所に入るための改札などはないことから、誰でも進入は可能。これを利用して、この高速バスのバス停で知人のクルマと待ち合わせ、拾ってもらう、ということをしている人もいるようですが、実はこれは道路交通法に違反する行為。
道路交通法第75条の8では、「自動車は、高速自動車国道等においては、法令の規定若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため一時停止する場合のほか、停車し、又は駐車してはならない。」と規定されています。
この例外として、「駐車の用に供するため区画された場所において停車または駐車するとき」や、「故障その他の理由により停車または駐車することがやむを得ない場合」、そして「乗合自動車が、その属する運行系統に係る停留所において、乗客の乗降のため停車し、又は運行時間を調整するため駐車するとき。」は、認められています。
つまり、高速バス(乗合自動車)に限って、乗客の乗り降りのために停留所に停車もしくは駐車することが認められているもので、高速バスではない一般車が、故障などのやむを得ない理由もなく、駐車区画ではないバスの停留所で停車することは、道路交通法に違反する行為なのです。違反したとされれば、違反点数2点、反則金1万2000円(普通車)が科せられます。
一般車は進入すらしてはいけない
また、そもそも、高速バスの停留所は、高速バス以外の車両は通行禁止とされているエリアです。バス停入口に「車両通行止め」という標識とともに「路線バスを除く」という補助標識があり、つまり高速バス以外は通行することはできません。こちらも違反したとされれば、違反点数2点、反則金7000円(普通車)が科せられます。
渋滞しているときなど、このバス停を利用してショートカットをしていくクルマを見かけることもありますが、これも立派な違反行為となります。
一般道でもバス停はダメ!!
高速道路に限らず、一般道でもバス停での駐停車は道路交通法違反です。道路交通法第44条では、バス停から10メートル以内の部分は、バスの運行時間中において、一般車は、警察官の命令や、危険を防止するため一時停止する場合を除いては、停車または駐車をしてはならないとされています。これは公共交通機関であるバスの通行を優先するため。たとえ送迎のための一瞬の乗り降りであっても、許されるものではありません。
バスの通行を優先するという視点ではほかにも、バス停に停車していたバスが発進しようとウインカーを出したら、後続のクルマはバスの進路を妨害してはならない、という道路交通法第31条の2の規定もあります。路線バスが前を通行していると、度々停車することから、追い越してしまいたいと思いがちですが、公共交通機関が優先であることは、忘れないようにしましょう。
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