コロナ禍を契機にソロキャンプがブームとなり、それに伴って「車中泊」が注目されている。しかしここで着目したいのは、災害時の車中泊について。もしも自分が災害に遭い、クルマで寝泊まりすることになったら? いつ何が起こるかわからない今だから、万が一に“備える”気持ちで車中泊を考えてみよう。

※本稿は2024年9月のものです
文:大橋保之(カーネル編集部)/写真:三菱、トヨタ、ベストカー編集部、AdobeStock(トップ画像=buritora@AdobeStock)ほか
初出:『ベストカー』2024年10月10日号

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■普段から非常時に備えて安心!

災害大国ニッポンにおいて、自宅に寝泊まりできなくなった時の備えは重要だ(yataro@AdobeStock)

 万が一はいつも突然の出来事。2024年8月8日、宮崎県沖でマグニチュード7.1の地震が起き、南海トラフ地震のリスクについて連日報道が飛び交ったのは記憶に新しい。

 またゲリラ豪雨に台風、洪水などの水害も年々激しさを増している。昨今、いつ自分が被災者になってもおかしくない……という考えは、持っておいてまず損はないだろう。

 そこでベストカーが改めて考えたいのは、災害時に自宅に寝泊まりできなくなり、マイカーで車中泊しなければならなくなった場合への備えだ。

 いざという時に困ったり慌てたりしないため、できる準備はキチンとしておきたい。

 また避難の際、意外と気を付けなければならないのが精神的な消耗。一時的とはいえ、普段と勝手が違う空間で過ごすのは気持ちが疲れるし、それが心身の不調につながってしまうことも。

 ただでさえ非常事態で動揺しているのだから、クルマで寝泊まりするにしても、できる限りは普段どおり心地よく過ごしたい。

 そんな車中泊に関して、今回の特集では安全で快適な車中泊のやり方、車中泊にオススメのクルマ、あると便利なお役立ちグッズの情報などについてまとめた。

 備えあれば患いなし! ベストカーを片手に、車中泊にレッツトライだ!

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■安全に快適に! 正しい車中泊とは?

自分のクルマのどこが一番フラットになるか把握しておきたい

 地震や台風が日常化した最近の日本で、いま注目されている「車中泊避難」。これは、クルマを避難所代わりに活用して緊急時を凌ぐこと。

 しかし、ただ「クルマで寝ればいい」というものではない。なぜなら、車中泊には「エコノミークラス症候群」という難敵がついてまわるからだ。

 これは長時間シートに座ったままでいたり、同じ体勢で過ごすことが原因で血栓ができやすくなるというもの。最悪、血栓が肺に到達して死に至るケースもある。

 では、エコノミークラス症候群にならない「正しい車中泊」とは何か? 重要なのは、できるだけフラットで、足を伸ばして横になれるスペースを車内で確保できるかどうかだ。これが車中泊の基本であり、最大のポイントになる。

 目安となるのは、「身長+15cm」という長さと、幅55cmのひとり就寝分のスペースだ。このスペースを何人分取れるかで、車内で何人寝られるかが決まる。

 これは、被災してから慌てて確認するものではなく、平時のうちに愛車のシートアレンジを試しておきたい。シートの背もたれを倒すのか、ラゲッジを使用するのか。そして、「誰が何人寝るのか?」をシミュレーションしておくことが大切。寝る人の体格と人数で、車中泊の可否が変わるからだ。

 SUVを見てみると、多くの車種は前後席のシートを後ろに倒したとしても、それほど水平にならず、また凹凸も大きい。逆にラゲッジはフラットになることが多いので、基本はラゲッジ就寝のほうがベターな場合が多い。

 多彩なシートアレンジを誇るミニバンはどうか? シートをつないで水平になる車種が多く、こちらはシート就寝がおすすめ。注意点としては、乗車人数と就寝人数の違いだ。

 7~8人乗りであっても、寝られる人数は4人ほど。サイズによっては2人の場合もある。だからこそ「誰が何人寝るか」が重要なのだ。

 車中泊の快適さは、人によって大きく変わる。自分が快適と感じても、他の人は寝られないことも多々ある。できれば平時に、レジャーも兼ねて、実際に車中泊を体験してみることをおすすめしたい。

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■電動車は本当に災害に強い?

エンジンだけでなくバッテリーに蓄えた電力も活用できるのが電動車の大きな強み

 非常時給電システムを備えたPHEVやHEVは、燃料タンクを搭載し車両側で発電も可能なため、災害に強いクルマだと言える。

 ちなみに、PHEVのアウトランダーの場合、満充電の状態でエンジンでの発電も組み合わせれば、ガソリン満タンで最大約12日分(約10kWh/日)の電力量が供給可能だ。

 スマホの充電、夜間の照明、ガスがなくても使えるIHクッキングヒーターなどの電化製品(AC100V/1500W以下)が利用できるだけでも、避難生活の不便さは大きく軽減される。

 BEVも発電能力こそないが、バッテリーサイズが大きいので、常に満充電を心がけておけば頼もしい存在となってくれる。

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