自動車市場に電気自動車が登場してからずいぶん経つが、電気自動車に欠かせない部品といえば走行用バッテリー。このほど、2024年上半期の車載電池世界シェアが発表された。電気自動車市場を支える「影の帝王」はどの企業だ!?

※本稿は2024年9月のものです
文:角田伸幸/写真:BYD、テスラ、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2024年10月26日号

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■上位は中韓企業が占める

CATLが中国の成都市に作ったショールーム。同社製バッテリーを積むEVが一覧できる

 IT系メディア「36Krジャパン」が、2024年上半期の車載電池世界シェアをまとめた。電池界の現状を知るうえでも紹介しよう。

 トップはご想像のとおり中国のCATL。2023年同期から3割近く数字を増やし、137GWhを出荷した。そのシェアは37.8%だから、もはやCATLなしにEV生産は成り立たないというほどの巨人だ。

 これに続くのが同じ中国のBYD。日本ではEVのイメージが強いが電池メーカーとしても巨大で、世界シェアの15%超を握る。出荷量も2023年から2割伸びており、成長は盤石だ。

 3位には韓国のLGエナジーが入った。韓国勢は4位と6位にもSKとサムスンがランクインしているが、LGはシェアで他2社に倍以上の差をつけており、差は歴然。ただし近年はサムスンも出荷量を延ばしているため、予断を許さない。

 5位のCALBは、中創新航科技集団という中国企業。現地のEVメーカーと親密な関係にあり、近年急成長している注目の会社だ。

 7位にやっと日本のパナソニックが食い込んだ。同社は長くテスラ向け電池に軸足を置いてきたが、近年はトヨタとの関係を再構築するなど、戦略の見直しを図っている。ストロングポイントを新しい顧客にいかにアピールできるかが、今後の成長のカギだろう。

 ランキングの8~10位も中国企業だから、全体として中国勢の存在感が浮き彫りになる。とはいえ落胆することはない。車載電池はまだまだ足りず、成長余地が大きいからだ。日本企業の躍進に期待しよう。

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