全日本トラック協会が主催する「全国トラックドライバーコンテスト」が、10月26日・27日の2日間にわたり、茨城県ひたちなか市の自動車安全運転センターで開催された。

文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/全日本トラック協会、フルロード編集部

第56回全国トラックドライバーコンテストのあらまし

日常点検の実科競技に挑む女性部門の選手

 全国トラックドライバーコンテストは、1969年から毎年開催(第52回はコロナ禍で中止)している歴史の長い大会で、今年で第56回目を迎えた。

 同大会へは各都道府県トラック協会が行なう都道府県大会を勝ち抜いたトラックドライバーが出場でき、今年の予選にはドライバー1228名が参加。

 全国大会へは4トン、11トン、トレーラ、女性の4部門で142名の選手が出場し、選手は茨城県ひたちなか市の自動車安全運転センターで2日間にわたる競技に挑んだ。

 競技の詳細は以下の通り。

【1日目の競技内容】
・学科競技
交通法規(40問)、構造機能(20問)、運転常識(20問)の計80問
・実科競技
日常点検、簡易コース走行、課題走行(隘路、スラローム前進)

初日の実科競技で行なわれる隘路・スラロームの課題走行。競技時間は各部門共通で1分30秒だ

【2日目の競技内容】
・実科競技
コース走行、課題走行(スラローム後退、S字後退、車庫入れ)
※配点は学科競技400点・実科競技600点

大会2日目に行なわれる課題走行の様子。競技時間以内(トレーラ部門の場合で3分30秒)にスラローム後退、S字後退、車庫入れを連続して行なわなければならない

 なお、競技内容は従来通りだが、今回からトレーラ部門で使われる競技車両は、社会的に3軸トレーラが普及したことを踏まえ、これまでの2軸トレーラから3軸トレーラに変更された。

コンテストの結果

 28日には新橋のホテルで大会の結果発表と選手たちの表彰が行なわれた。

 今年の結果は、4トン部門の日本通運・中根誉士選手(宮城県代表)、11トン部門で日通千葉貨物輸送・山野邉繁選手(千葉県代表)、トレーラ部門で日本通運・星野巧選手(東京都代表)、女性部門で岡山スイキュウ・左直希乃選手(岡山県代表)が各部門の1位におくられる警察庁長官賞を獲得し、NX(日通)グループが3部門で1位を席巻したほか、女性部門では中小企業でもある岡山スイキュウが第53回大会ぶりの1位に返り咲いた。

部門別の1位におくられる警察庁長官賞を獲得した選手たち。左から4トン部門・中根誉士選手、11トン部門・山野邉繁選手、トレーラ部門・星野巧選手、女性部門・左直希乃選手

 なお、平均点は総合得点で879点(前年880点)と、昨年から大きな変動はなかったが、最高総合得点では第51回大会以来の90点台となる990点(満点1000点)をマークした。

 そして、同得点を叩き出した4トン部門・中根誉士選手が総合得点の1位となり、国土交通省の鶴田浩久物流・自動車局長から内閣総理大臣賞がおくられた。

総合得点990点を出し、内閣総理大臣賞を受賞した中根誉士選手

 また50歳以上の年長者で優秀な成績を収めた選手におくられる全日本トラック協会長特別賞では、11トン部門5位で入賞した日本通運の野呂卓司選手(宮崎県代表)が獲得。

 さらに、中小企業として参加し優秀な成績を収めた選手におくられる国土交通大臣賞は、大興運輸の今福慧選手(愛媛県代表)が獲得した。

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