2024年7月に一部改良を受けて登場したスバル BRZ。登場直後に行われた試走会で体験している国沢親方だが、その日はあいにくの大雨。ウエットコンディションでの性能は体感できたが、今回は待望のドライコンディションでの試乗だ!!

※本稿は2024年10月のものです
文:国沢光宏、ベストカー編集部/写真:大西靖、スバル
初出:『ベストカー』2024年11月10日号

■一部改良でコントロール性が向上

2024年7月に一部改良を受けて登場したスバル BRZ。スーパー耐久からフィードバックされた電子スロットル制御など各部をブラッシュアップした

 スバル流に呼ぶと『アプライドD』になったBRZは、発表直後に富士スピードウェイのショートコースで試乗している。土砂降りの大雨だったものの、アプライドCと乗り比べコントロール性が向上していて驚いた!

 ちなみにアプライドCとBの違いは「6速マニュアル車にアイサイトが付くようになったこと」であり、ハンドリングを含めた走りの変更なし。

 したがって、現行BRZにとって初めての大きな改良と言ってよかろう。簡単に説明すると今回の変更点は3つ。

 1.電子スロットルの制御をスーパー耐久のフィードバックを入れて見直した。
 2.ダンパーの減衰特性を変更。
 3.電動パワステのフィールを改善させた。

 というもの。ドライ路面の一般道で乗って感じるのが電動パワステの改良だ。

 アプライドCも決定的に悪いというレベルじゃなかったものの「平均点」。今回受けた変更で「良」になった。

 具体的に言うと、まっすぐ走っている時の確実性と、切ったか切らないか微妙な操作レベルでのレスポンスである。高速道路や緩いコーナーでのハンドルの落ち着きが明らかによくなっており、ロングドライブだって疲れない。

 ダンパーの変更で乗り心地の質感もよくなった。もちろんスポーティ&シャープさはそのまままで、路面からの入力がマイルドになっている。「よく動く足になった」と言い換えてもよかろう。

 ただ厳密に比べればの話。アプライドCのユーザーがガッカリするようなレベルじゃないのでご安心を。そもそもダンパー交換しているユーザーだって少なくないと思う。

 今回「こんなに違うのね!」と思ったのが電子スロットルの制御。ショートサーキットで別の機会に乗ったのだけれど、滑り始めのコントロール性が格段に向上している。コーナー入り口でテールアウトの姿勢を作り、そこからアクセルでテールの流れをコントロールするような走りが簡単にできるようになった。

 いずれにしろ純エンジン車の後輪駆動スポーツを買うのなら最後のチャンス。ぜひショッピングリストに載せてみてはいかがだろうか。

●スバル BRZ(D型) 諸元表
・グレード:S
・全長×全幅×全高:4265×1775×1310mm
・ホイールベース:2575mm
・最低地上高:130mm
・車両重量:1270kg
・パワーユニット:水平対向4気筒
・総排気量:2387cc
・最高出力:235ps/7000rpm
・最大トルク:25.5kgm/3700rpm
・WLTCモード燃費:11.9km/L
・価格:350万9000円

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