クルマを手放すことを考えている人にとって、愛車の売却や下取り時の価格は、一番気になるところ。人気の車種や高年式のクルマであってもリセールバリューを下げてしまう、3つのタブーとは……?
文/井澤利昭、写真/写真AC、日本自動車鑑定協会、アイキャッチ画像/buritora@Adobe Stock
■「修復歴あり」のクルマはリセールバリューがかなり低め
クルマを売却や下取りに出す際のリセール価格は、そのモデルの人気度や年式、走行距離などさまざまな要素で変わってくる。
中古車市場であまり需要のないモデルや年式が極端に古いもの、走行距離が長いものなどは、当然ながらリセール時の価格が下がってしまいがちだが、それ以外にもクルマの価値を下げてしまう原因となることがいくつかある。
なかでも大きく愛車の価値を落としてしまう原因となるのが、事故や災害などによるクルマの破損だ。
特にフレームやピラー、フロアといったクルマの骨格となる重要な部分が破損してしまったクルマは、仮に修理が完了して外見上は問題ないように見えても、性能面や安全性が十分ではないのでは? という疑いを持たれかねない。
そうしたクルマは中古車市場では「修復歴あり」となってしまうため、売却や下取りの際も高く売ることが難しいのが一般的。
事故を起こしていない同型のクルマと比較して買い取り価格が数十万円も安くなってしまうことも多い。
また「修復歴」としてはカウントされないボディのキズやヘコミなども、やはり買い取り時の印象を悪くし、価格が下がる原因となる。
破損した個所の状態によって事情は変わるものの、1cm以上の大きめのキズがボディにあるなら、査定に出す前にきちんと直しておくのが得策だろう。
クルマの破損やボディにキズができる原因となる事故を避けるためにはやはり、日頃から安全運転が大切。そうすることが結果として、愛車のリセールバリューを高めることになるわけだ。
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■自分ではなかなか気づけない車内の汚れや悪臭にも注意
リセールバリューが下がってしまう原因には、ボディのキズといった外側からの見た目はもちろん、車内の汚れや破損などがマイナスポイントとされる場合がある。
シートの破れといった内装の破損など、目に見える部分であれば比較的わかりやすく修理などの対応も可能だが、日頃から乗っているオーナーが案外気がつかないのが、車内のニオイだ。
特にタバコを吸うドライバーで、愛車のなかでも日常的に喫煙をしていたという場合は、そのニオイが車内に充満している可能性が高い。
タバコのヤニ汚れによる車内の黄ばみもニオイと同様に印象が悪く、長い間放置したことでこびりついたものは、専門の清掃業者でも落とすのが大変。
さらにタバコ自体や火種を落としたことによってシートやフロアマットに焦げ跡を作ってしまう事も、リセール時の査定が下がる要因となる。
また、喫煙以外で気をつけなければならないのが、車内での飲食やペットを乗せていた場合で、これらもシートやフロアを汚したり、悪臭がこびりついてしまう原因に。
こうした汚れや臭いはもちろん売却や下取り査定時には減額の対象となるため、リセールバリューを考えるのであれば、その原因となる車内での喫煙や飲食などはできるだけ控える方が得策。
やむを得ずペットを乗せる場合も、専用のシートを敷くなどできるだけ車内にニオイを残さないように気をつけたい。
これらを防ぐにはやはり、日頃からのこまめな掃除が必要で、タバコの灰や食べかす、ペットの毛などのゴミや汚れは掃除機などを使ってしっかりと取り除いておくことが肝心だ。
査定の前にはシートの下や隙間はもちろん、トランクルーム内のすべての荷物をいったん出して空にし、車内の隅々まできれいにしておくよう心がけたい。
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■改造やドレスアップしたクルマのリセールバリューは?
リセールバリューが下がる原因としてもうひとつ考えられるのが、売ろうとしているクルマがいわゆる改造車である場合だ。
改造車とひと口に言っても、エンジンや足回りまでバリバリにチューンされたカスタムカーから、社外品のエアロパーツなどで見た目を個性的に仕上げたドレスアップカーまで、その種類はさまざまではあるが、いずれの場合もノーマル車と比較すると売却時の査定が下がってしまうケースが多い。
レース専用のパーツなどが組み込まれ、車検に対応できない状態のものであればなおさらだ。
また、オールペイントによる純正とは異なるボディカラーへの変更も、リセールバリューを落とす原因となる場合も。
派手な色合いや蛍光色といった個性的すぎるカラーであれば、その可能性はさらに高くなる。
愛車を自分だけの仕様にしたい気持ちは分かるが、後々のリセールバリューを考えるのであれば、手放す際にノーマル状態に戻せる範囲にとどめるのが得策。
外装パーツを交換した際はノーマルパーツを保管しておく、ボディカラーの変更は、後で剥がすことができるラッピングで済ませるなど、リセールを考えたやり方でも、十分にカスタムを楽しめるはずだ。
いっぽうで改造車の場合、先に挙げた修復歴ありのクルマや、車内のニオイや汚れが気になるというケースとは異なり、それによってリセールバリューがアップすることも。
例えばメーカー純正ですでに手に入らないエアロパーツが取り付けられていたり、有名なショップやチューナーが手がけたチューンが施されている改造車であれば、話は大きく変わってくる。
こうしたクルマの場合、一般的な中古車買い取り業者ではなく、その価値を理解できるショップや人を見つけられるかがポイント。
買い手側がそのクルマの改造に対して魅力を感じられるかどうかで、リセールバリューは大きく変わってくる。
冒頭でも述べた通り、クルマを売却する際の価格は、さまざまな要因で上下するもの。
古いクルマや不人気車など、自分ではどうしようもないことも多い反面、愛車を労わり、できるだけきれいな状態で乗り続ければ、相場から大きく下がるということはないはずだ。
リセールバリューを落とさないためには、クルマを大事にする愛情こそが、最も重要といえるだろう。
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