住友ゴム工業は12月17日、北海道名寄市にある冬用タイヤ開発拠点「名寄タイヤテストコース」内の屋内氷上試験施設「NICE」に冷却装置を導入したと発表した。この施設強化により、冬用タイヤの開発期間を従来の2か月から4か月へと2倍に延長することが可能となる。
近年、暖冬の影響で冬用タイヤの開発期間が年々短くなっていた。そこで住友ゴムは、気象変化に左右されない安定したタイヤ開発を行うべく、冷却装置の導入を決定した。これにより、従来1月から2月までだった主要な開発期間を、12月から3月までの4ヶ月間に拡大できる。
さらに、この施設強化によって、国連規定で定められた氷上性能の基準をクリアしたタイヤを表す「アイスグリップシンボル」の取得に必要な、マイナス5~15度の路面温度での開発試験にも対応可能となった。
住友ゴムの北海道名寄市にある冬用タイヤ開発拠点「名寄タイヤテストコース」の屋内氷上試験施設に導入された冷却装置住友ゴムは、この新しい試験環境を活用し、天候に左右されない高精度な開発試験を実施することで、冬用タイヤのさらなる高性能化と開発のスピードアップを図る。
同社は国内に、総合的な機能を有する岡山タイヤテストコースと、冬用タイヤの開発を行う名寄および旭川タイヤテストコースを保有している。名寄タイヤテストコースでは、冬シーズンの凍結路や圧雪路におけるタイヤ性能の試験・解析を通じて、今後も数多くの優れた商品を送り出していく。
この施設強化により、住友ゴムは変化する気候条件下でも安定した冬用タイヤの開発が可能となり、より安全で高性能な製品を市場に提供できるようになる。
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