クロスオーバーSUVたちはハヤリまくっている今日この頃。そのなかでも、オンロードメインで多少のオフロード走行も「いけますよ!」的なカテゴリーがある。こうしたSUVの始祖が、ホンダCR-V。初代と2代目モデルは、ホンダだからできるアイディアが満載!!
文:佐々木 亘/写真:ベストカーWeb編集部
■都市に洗練したライトクロカン
背が高いハッチバックで大きなタイヤを履き、最低地上高の高いクルマを、当時はクロカンと呼んだ。ホンダのCR-Vも例に漏れずクロカンなのだが、パジェロやランクルといったクロカンど真ん中のクルマとは一線を画している。
走破性ではなくスタイリングやスマートな乗り味で勝負している。よって、当時はCR-Vが自分自身を「ライト・クロカン」と呼んだのだ。初代モデルは1995年に登場し、2001年からは2代目へバトンタッチ。現在国内では6代目となるe:FCEV専用車が販売を続けている。
初代は、ホンダお得意のフラットなフロアと、コラムシフトの採用により、運転席・助手席間の左右移動だけでなく、前後席の行き来も可能なセンターウォークスルーを採用。また、助手席には回転シートを設定し、クルマを停めて後席と向かい合いながら楽しく車内ランチも可能だった。
面白ギミックが満載のイロモノモデルと思われるかもしれないが、初代モデルのパフォーマ4WDには、スポーティな5速マニュアルを設定する。4輪ダブルウィッシュボーンの足回りとリアルタイム4WDで、アクティブな走りも楽しめるのがCR-Vの凄さだった。
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■ビルトインテーブルの存在こそはCR-Vの証
テールゲートも非常に個性的。まずはこの時代に大流行りしたガラスハッチが開閉し、ハンドルを引けばロアゲートが横開きになる。2代目モデルでは、ガラスハッチの機構は残しつつ、ガラス部分も含めたテールゲート全体が横開きする仕様へと変わった。
背面タイヤを背負う設計だったから、横開きテールゲートも納得なのだが、初代の後期には、背面タイヤを廃止したフルマークというグレードを作り上げる。それでもデザインの破綻が無いのが、当時のホンダデザインの優れているところだ。
また荷室の床面が取り外しできるようになっていて、この床面に足が付いている。テイクアウトテーブルと名付けられたこの機能は、カーゴフロアにビルトインされたアウトドア用テーブルなのだ。
こちらも「話題性を狙った初代だけの装備でしょ?」と思わせながら、しっかりと2代目でも採用されているのが面白い。先代のテーブルよりも足の梁を1本増やして、より安定感が高まる改良を加えるこだわりようだ。
この簡易テーブル内蔵機能を、現在のクロスオーバーSUVやマルチユースの軽自動車あたりが採用しないのが不思議なくらい魅力的。キャンプやちょっとしたアウトドアのお出かけで重宝する機能であろう。N-BOX JOYに長方形のテーブルが内蔵されていたら、どんなに便利だろうか。
是非ギア系のホンダ車で、ビルトイン・テイクアウトテーブルは復活させてほしいものだ。CR-Vファンが、感慨にふける新型モデルが登場することを願っている。
初期のCR-Vは、大人の遊べるクルマ的な要素が強かったが、次第に大型化し、今は上級・高級路線に走り出した。
ただ筆者としては、全幅は1,750mmくらいに抑えて、日常・レジャーの相棒として乗り回せるキャラがCR-Vにはよく似合うと思う。WR-VとZR-Vを足して2で割ったような、遊べるCR-Vの復活に期待したい。
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