中国の自動車メーカーの江淮汽車(JAC)は、安徽省合肥市に建設を進めていた新工場が完成したと発表した。この工場は、デジタル研究開発、グリーン低炭素生産、ブランド体験サービスなどの機能を一体化した世界レベルのスマート工場で、年間生産額は1000億元を超える見込みだ。

落成式には安徽省や合肥市の幹部、華為(ファーウェイ)などの協力パートナー、江淮汽車の幹部や従業員代表らが出席。合肥市の羅雲峰市長は、この工場の完成が自動車産業発展の新時代を切り開き、伝統的な自動車産業のデジタル化転換に実践的な道筋を示すものだと評価した。

工場には約1500台のスマートロボットが導入され、溶接や塗装など主要工程の完全自動化を実現。「1クラウド、1ネットワーク、1プラットフォーム」のデジタル基盤を活用し、研究開発から生産、販売、サービスまでを一体化。個別仕様の製品を柔軟に生産できる体制を整えている。

また、カーボンフットプリント管理システムを導入し、グリーン技術や省エネ技術を採用。安徽省初のゼロカーボン産業パークとしても注目されている。品質管理面では、AIを駆使した86の品質評価ゲートと2.5万以上の品質管理ポイントを設置し、全工程でトレーサビリティを確保している。

この新工場で生産されるのが、ファーウェイと共同開発された新型EVの『尊境S800』だ。同車は、中国の超高級車市場に新風を吹き込むものとして大きな反響を呼んでいる。これは、中国の自主ブランドが100万元(約2150万円)級の高級車市場に本格参入する象徴的な出来事になるという。

江淮汽車の項興初董事長は、今後も自主開発と開放的協力の路線を堅持し、スマート化・新エネルギー化への転換を進めると表明。「十五五」期間中に「年間販売100万台、売上高1000億元」規模の主流自動車グループへの成長を目指すとしている。

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