まさに5月の風のよう。新型フリードを見て、直観的にそう感じた。私の愛車、2代目フリード(MC前)が「ほんわか&フレンドリー」なら、新型フリードのAIRは「スッキリ&クリーン」。ステップワゴン路線の外観だけど、むしろこのデザインは新型フリードにこそ似合う! そんな熱き思いのまま、2代目フリードオーナーとして「新型」について語りたいことがあるんですよ!

文:ベストカーWeb編集部・馬場武治/写真:ホンダ、ベストカーWeb編集部

■キャラが「別方向」へ向き始めた「新型フリードとシエンタ」

すでに話題沸騰中の、こちらが新型フリードのAIR。スッキリ&クリーン、そしてプレーンじゃね。モデル/ゆづ

 フリードといえば、永遠のライバル、トヨタシエンタの姿がすぐ浮かぶ。現在超絶人気中で、2024年3月の月販台数が9082台と登録車のなかで第4位。バカ売れです!

 でもね、冒頭から言いますけど「新型フリードは勝つ!!」。そして、「シエンタも勝つ!!」。はて? どういうこと?? と思うでしょうが、シエンタはファン&ワクワクなイメージ。

 それに対して、新型フリードはスッキリ&クリーンで、どこか大人な雰囲気もある。ここにきて、両者、コンパクトミニバンというカテゴリーは同じでも、「キャラの方向性が一気に分かれた」気がする!

バカ売れ中のトヨタシエンタ。フリードと永遠のライバル関係だけど、キャラ違いが明確化してきた感じがします!

 だからして、双方にも巨大なマーケットがある。それゆえ、「新型フリードもシエンタも売れまくる!!」と思う。めでたいじゃないですか!

 ……と怪気炎を吐きつつ、2代目フリードオーナーが肌身で感じた、新型フリードのキモを4つに分けて取り上げたい。

■【キモその1】ポルシェの「アレ」に似ている、ヘッドライト・デザイン!

瞬時に心を奪われたヘッドライト・デザイン。凄くいい~!

 ヴェゼルやステップワゴンなど、最近のホンダデザインでよく見る「プレーンな直線基調のカタチ」が、パリッと整っているのが新型フリードだと思う。初代ヴェゼルのようなこねくり回したような曲線美は、最近のホンダには見ないですね。

 そんな外観で、筆者の心にズドーンと突き刺さったのがヘッドライト・デザイン。こ、これ……。シビレルほどいい~!! ほかの国産車では見ないデザインだし、横長のデイライトデザインが左右2灯ずつ灯る様は……まるで、ポルシェタイカンじゃないか!!

こちらがタイカン様じゃ。新型フリードの横長のデイライトデザイン、よ~く見ればタイカンに似てますよね、ね!?

 上写真のようにタイカンは4つずつ灯るが、フリードオーナーとしては「よくぞ、ポルシェに近づいてくれた」という印象。そして、オプションの「アダプティブドライビングビーム」を装着すれば、なんとタイカンのように4灯とも灯る! すばらしいじゃないか。

 このヘッドライト・デザインだけを見ても、2代目と大きく変わった印象を受け、新型フリードの新たな息吹をガッツリ感じ取れるんですよ。

 また、アルミホイールデザインがデイライトのデザインとイメージを合わせている、というこだわりもある。言われてみれば共通性あるデザインですね!

 さらにリアコンビランプのデザインはシンプルかつ個性的となり、これも2代目とは印象がまったく異なる(ず~っと下へスクロールすれば、リアの写真があります)。

2代目フリードのリアコンビランプ・デザインはこんな感じ。大ぶりで凝ったデザインですよね

 ほら、上写真のように、2代目のリアコンビランプは大ぶりなデザインですものね~。

■【キモその2】気持ちが一気に吸い込まれたインパネデザイン!

うおおおおお! 新型フリードの最大の魅力といえるのが、このインパネデザイン。前面の布パッド素材が猛烈にいい! 写真はAIR

 車内に話を移したいが、もうね、室内の広さについては語ることはナシ!! MM思想宿るホンダのミニバンだもの。広いのは当たり前!

 全長4265mmの2代目フリードに普段から乗り、「なんで1列目から3列目シートまで、こんなに広いの?」と感心するほどだから。そんな室内空間が新型で狭くなるワケがない。すでに合格!!

 車内で筆者の目と気持ちが一気に吸い込まれたのはインパネデザイン。ここですよ!! 新型フリードの最大のトピックといっていい。フィットのインパネデザインをさらに大人っぽく上質に仕立てた雰囲気で、運転席と助手席前のこだわりの布パッド素材がステキすぎる。これぞ「お部屋にいる感覚」。

 さらに、ステアリング形状がフィット同様の2本スポーク。このカタチも相まって、インパネデザインも「スッキリ&クリーン」さが漂っている。

■【キモその3】これは大きな事件! 「11.4インチナビと2列目クーラー」

トヨタ勢の大画面ナビに対抗するように採用された(と思う)11.4インチのナビ。フリードよ、立派になったのぉ。写真はクロスター

 インパネでもうひとつ目を引くのが、カーナビの画面サイズ。筆者の2代目は最大で9インチだが、11.4インチのホンダ・コネクトナビを設定しているのは、明らかにシエンタへの対抗意識! トヨタ車のナビ画面、総じて大きいですもんね。大きいほうが見やすいですものね。

 車内を見渡すと、1列目から3列目シートにかけ、後ろへいくほど座面が上がる「エレベーション」の工夫もいいし、3列目シートの跳ね上げ位置が先代より低くなり、シート自体が軽くなり作業がラクになったのもユーザーの声を反映した部分だろう。だって、2代目の3列目シートを跳ね上げる時は「よいしょ!」という感じだもの。

2列目シート上部にあるクーラー。初代、2代目のフリードにはこれがなく、後席の人は「暑い思い」をしているんですよ

 そしてそして、2列目上部にクーラーの吹き出し口が装着されたのが……うれしい! 2代目のエアコン吹き出し口はインパネ部にしかなく、夏、後席の人から「アツい! 後席にも吹き出し口欲しい~」という声が頻繁に聞かれるので(←我が家の場合ね)。

■【キモその4】2代目より45mmも長い全長(涙)。それでいいのか!?

お待たせしました、リアの姿です。このスタイルはいいんだけど、全長が45mmも長くなったのは「うぬぬぬ」ですよ

 ここまで、これでもか! というほど褒めまくってきたが、「うむむ。残念」という部分もある。

 AIRの全幅が1695mmを堅持したのはすばらしい。が、しかし……。「なんで全長が2代目より45mmも長いんじゃ!!」という部分。

 待望の1.5L e:HEV搭載ゆえに、ボンネット部分が長くなり、全長4310mmになった……ということだが、取り回しを考えると「プラス45mm」はどうかな~、せま~い駐車場などでは意外と扱いづらいんじゃないかな~と思うわけですよ。

 個人的には全長は2代目と同じ4265mmを堅持し、室内長を45mm短くしたほうがよかったのではないかと思う。……と言いたいほど、フリードの室内はかなり広い! 室内長45mm短くしたくらいはなんら問題なし、でしょう。

AIRと別物感が漂うクロスター。ホイールデザインもいいですね~。でも、フロントのメッキ・シルバーがちと明るすぎませんか!?

 そして、クロスター。2代目は途中から追加されたモデルだけに、標準車に「あれこれくっつけた感」があるデザインだったが、新型は違う。最初からクルマの方向性やキャラが確立された感が、新型クロスターからはほとばしっていると思う。AIRとの差別化も明確だし、いいクルマじゃないですか~。

 ただ……。フロントにあるメッキパーツが明るいシルバーすぎて、やや軽い印象。ダークシルバー系の色なら、このモデルの雰囲気に合うのにな~と個人的に思っていたら、ありました! それが下写真じゃ。

ぐおおおお! これが専用アクセサリー「アクティブ・タフスタイル」。よりギア感がみなぎり、個人的には好きっスよ!

 専用アクセサリー「アクティブ・タフスタイル」をまとえば、フロントのシルバー部の面積が減り、よりタフでギア感あふれる出で立ちじゃないですか! 

 ……以上。2代目フリードオーナーとして語らせてもらったが、「新型を購入する?」ともしも尋ねられたら、「まずは家族会議ですね」。これが筆者の返答です!

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