おととし8月に新潟県北部を襲った豪雨。土石流が発生する中、犠牲者が一人も出なかった村上市小岩内地区で“避難の教訓”を後世に伝える取り組みが始まっています。
【齋藤正昂アナウンサー】
「村上市小岩内地区です。大雨から1年10か月ほどが経ち、こちらを覆っていた土砂や流木は取り除かれていて、奥の住宅では今もなお修復作業が続いています」
発生から8月で2年が経つ県北部を襲った豪雨。村上市には大雨特別警報が発表され、小岩内地区では土石流が発生し、住宅などを飲み込みました。
ただ、住民は早期の避難により犠牲者はゼロに。このことを地元では“小岩内の奇跡”と呼んでいます。
雨の降る中、その小岩地区を訪れたのは新潟デザイン専門学校の3年生。
【生徒】
「実際の地域を見てどんな感じかなというのと、実際の地域の方々とも直接お話をして、取材をしに来たという感じ」
新潟デザイン専門学校は今年2月に村上市と協定を結び、“小岩内の奇跡”を絵本にし、その教訓を後生に伝えていくことに。
【当時の区長】
「今、奥の方に砂防ダムが見えているが、あの間を流木が、長尺の木が流れてきた」
その絵本の制作に役立てようと、生徒は小岩内地区の住民の体験談を聞いたほか、実際に避難した経路などを歩きました。
【住民】
「私はこの坂を登って避難した」
【生徒】
「坂が多いから避難が大変だったんだろうなという印象。犠牲者がゼロというのは本当に奇跡に近いんだなというのを実感した」
視察のあとには生徒と住民による質疑応答の時間も。
【生徒】
「夜だったので、避難されるとき外がどのくらい真っ暗だったのか教えていただきたいです」
【住民】
「電灯はついていたけど見える状況ではなかった。雨と霧が一緒になった感じで2~3m先も見えない状況」
生徒たちは視察を通して制作する絵本のイメージを膨らませていました。
【生徒】
「今回の質問など、参考にさせてもらったものを全部利用して制作に励みたい」
生徒たちは6月から本格的に絵本の制作を始め、今年9月に完成させる予定で、絵本は村上市の小中学校などに配られるということです。
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