国民生活センターは29日、保育園や幼稚園などへの送迎で使われる事に多い「子ども乗せ自転車」について、横にはみ出た子どもの体と障害物が接触する事故が5年間で207件寄せられ、なかには大腿骨を骨折する重傷を負ったケースもあるとして注意喚起した。

自転車に乗せることができる幼児は最大2人だが、自転車前部に取り付けた座席に乗せられるのはSG基準では4歳未満とされていて、それ以上の年齢の子どもは、運転者が直接視認できない後部の座席に座ることになる。この後部座席に乗せた子どもの事故事例が2019年度以降の5年間で207件寄せられているという。

207件のうち、78件(38%)は、子どもの足が車輪のスポークに巻き込まれてケガをするスポーク外傷で、63件(30%)は転倒、37件(18%)が体のはみ出しによる接触事故だ。

報告された事故の中には、電動アシスト自転車後部の幼児用座席に座っていた4歳の女の子が、足を置くところから足を出してぶらぶらさせていたところ、右足とガードレールが接触して右大腿骨を骨折して約3週間入院する重傷を負ったり、同じく電動アシスト自転車後部の幼児用座席に座っていた6歳の男の子が、右折する際に車体がふらついてポールに子どもの右膝が接触し、股関節を開く形で右大腿骨を骨折して約2ヶ月間入院する事故もあったという。また頭部が横にはみ出すことで、頭を切るケガをした事象もあった。

スポーク外傷の事例では、幼児用座席を使わずに自転車後部に乗っていた6歳の男の子の左足がスポークに巻き込まれ、アキレス腱が露出するケガをしたとの報告もあった。

国民生活センターは、自転車後部の幼児用座席に乗った子どもは前方の視界がほとんど無いため、「シートベルトとヘルメットを適切に着装させ、体をはみ出さないよう声がけをしましょう」と呼びかけた。

また、狭い通路を走行する際には、自転車を降りて押して歩いて通過するよう呼びかけている。

(画像はイメージ)

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