静岡市では6月26日も最高気温が35℃を超え、観測史上初めて6月に3日連続の猛暑日を記録しました。熱中症への警戒が必要な日が続いていますが、一方でこの梅雨の時期は食中毒にも注意が必要です。どのように気を付ければいいか取材してきました。

6月は細菌性の食中毒が年間最多

6月21日に梅雨入りした東海地方。

ジメジメ、ムシムシとしたこの時期から細菌性の食中毒が増える傾向にあります。

6月8日には長野市内の工業高等専門学校の寮で125人が腹痛や下痢の症状を訴えました。ウェルシュ菌による集団食中毒と見られています。

こちらは2023年1年間に発生した細菌が原因となった食中毒の発生件数です。6月が最も多く、その状況は秋頃まで続いています。

静岡県衛生課・牧野江梨子さん:
食中毒は1年中発生しているが、気温や湿度が高くなるこれからの季節は多くの細菌が増殖しやすい環境になるため、特に細菌性の食中毒に注意が必要。

食中毒の原因となる細菌には様々なものがあるが、特に注意をして欲しいのが鶏肉や牛肉などに付着するカンピロバクターや腸管出血性大腸菌(O‐157)です

市販の鶏肉からも高い割合で見つかるカンピロバクター。少しの菌でも食中毒を発生させますが、熱に弱く、十分に加熱すれば防ぐことができます。

また、作ってから食べるまでの時間が長いお弁当は特に注意が必要だといいます。

どう対策するのが有効なのでしょうか?

様々な食中毒対策グッズが登場

室伏真璃アナウンサー:
こちらのお弁当コーナーには、このような抗菌シートがありますね。作ったお弁当に上からのせるだけで菌の繁殖を防いでくれるものだそうです。

こちらは除菌スプレーのコーナーなのですが、たくさん品ぞろえがありますね。食器にかかっても安心というものからウイルスや菌を除去してくれるものなど種類も様々です。

コロナ禍もあり様々な場面で使用する機会の増えた除菌スプレー。こちらの店舗では約20種類の取り扱いがあるといいます。

杏林堂薬局・正田葉月さん:
食品に直接かけることができるので、出来上がったお弁当にかけてもいいですし、傷みやすいフルーツや食パンに吹きかけるのもおすすめです。特許を取っていますので、安心して使っていただけます

作り置きをする時も容器を除菌すると菌の繁殖を防げます。

杏林堂薬局・正田葉月さん:
こちら冷凍食品ですけど、自然解凍でおいしく食べられるので、そのままお弁当に入れて保冷剤代わりとしても使えます

近年では自然解凍OKな冷凍食品がたくさん出回っています。ゼリーなどを凍らせて入れるのも有効だということです。

食中毒予防の三原則

静岡県衛生課・牧野江梨子さん:
作ってから食べるまでの時間が長いお弁当は特に清潔に調理することが大切です。お弁当の中は水分が多いと細菌が増えやすくなるので、生野菜は水が出ることがあるので避けた方がいい。

食中毒予防の三原則「付けない」「増やさない」「やっつける」を守って、食品を衛生的に取り扱って、食中毒を予防してもらえればと思います。

食中毒は細菌やウイルス、寄生虫など様々な原因があり、年間を通して一定数発生していますが、この時期は気温・湿度が高く細菌性のものが多くなります。

2023年1年間に全国で起きた細菌性食中毒の月ごとの件数ですが、これを見ると6月が多くなっています。

こうした食中毒を防ぐためにどのような点に気を付けたら良いのでしょうか?

県・衛生課の牧野さんも話していた食中毒予防の三原則というものがあります。

これは菌を「つけない」「増やさない」「やっつける」というものです。

これを具体的に示すと、買い物の際は肉・魚はビニール袋で分け保冷剤と一緒に、そして帰宅したらすぐに冷蔵庫へ入れてください。

次に調理の際は調理器具・布巾は消毒する、生肉は洗わない、十分に均一に加熱して長時間放置はしないということを徹底することが大切です。

エコバッグにも食中毒のリスクが

このように食事の準備やお弁当などについていろいろと気を付けなければならないことがありますが、多くの人が利用しているエコバッグにもリスクが潜んでいるそうです。

HACCPジャパンの調査(2022年)によれば、エコバッグの底面にいる細菌の数は使用前は1gあたり970個の細菌が、2カ月使用すると17万9350個と約185倍に増えています。

では、エコバッグを清潔に保つにはどうしたら良いのでしょうか?

農林水産省のホームページによれば次のようなことに気を付ける必要がありそうです。

・定期的に洗う 
・生鮮食品はポリ袋に入れる
・エコバッグに入れる順番に注意する
・食品と日用品区別する 
・持ち運びは短時間にして、すぐ冷蔵庫へ

暑さが続き、熱中症にも注意が必要ですが、これからの季節は食中毒にも十分気を付けて下さい。

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