老後を楽しむメンタルヘルスは加齢に伴う健康の質を大きく左右する STOCKIMAGEFACTORY.COM/SHUTTERSTOCK, MAGONE/ISTOCK (CHEESES)
<幸福感を大切にするライフスタイルでレジリエンスが向上>
チーズを食べて幸せな気持ちになると、健康的に年を取れるかもしれない...ネイチャー・ヒューマン・ビヘイビア誌に掲載された論文によれば、精神的ウェルビーイングは、年を取るにつれて健康に影響する最も重要な要因の1つだ。
つまり、精神的な幸福感を高める行動は、チーズや果物を食べることでも、活発に動くことでも、より良い加齢を促す可能性がある。
「健康的に年を取るためには、健康の質と寿命のギャップを埋めることが不可欠だ。感情的、心理的、社会的な幸福を含めた精神的ウェルビーイングは、多くの生活習慣行動や疾病と相関関係があり、健康的な加齢を支える」と論文は述べている。
研究チームは精神的ウェルビーイングと健康的な加齢の関連性を調べるために、それぞれ80万~230万人分の情報を含む8つのデータセットについて遺伝的特徴を分析した。
その結果、精神的ウェルビーイングが高い人ほど、健康的な加齢のためのレジリエンスの向上、健康に関する高い自己評価、長寿の傾向が見られた。これには貧富の差は関係ないが、高収入や高学歴はウェルビーイングに影響を与えていた。
また、運動不足、喫煙、テレビの長時間視聴はウェルビーイングの低さに、チーズや果物を多く食べることはウェルビーイングの高さに、関連があることも分かった。
「座りがちなこと(テレビの視聴時間)、喫煙(喫煙を始めた年齢と1日の本数)、チーズと新鮮な果物の摂取量のほか、医薬品(降圧薬と非ステロイド性抗炎症薬)の使用、認知能力、初潮年齢などの行動や能力も、それぞれウェルビーイングが(健康的な加齢に)及ぼす影響全体の1・82~9・54%を媒介していた」「これらの媒介因子のほとんどは、加齢に関連する転帰(結果)との関係が確立されている危険因子である」
論文はこれらの知見が、「メンタルヘルスの問題がもたらす加齢格差の解消」にも役立つだろうと述べている。
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