おいしそうな白米は私たちの食卓には欠かすことができませんが、このコメを巡り、非常事態が起きています。

◆玄米の倉庫がガランと…

出来立てほやほやで輝くような白さの白米。

山口県阿武町産のコシヒカリです。

北九州市小倉北区の旦過市場にある「米夢マイム」。

地元の人などに愛され、20年続くこの店のおすすめが「梅干しのおにぎり」です。

無農薬で作られた梅干しは暑いこの時期にぴったりです。

◆リポーター
「おコメがあっという間に優しくふわっと口の中でほぐれていきます。この梅干しがおコメにばっちり合ってるんです。昔ながらの酸っぱさの中にしっかりとうまみがあります」

日本の食を支えるコメですが、今、ある異変が起きています。

◆米夢マイム 中尾憲二さん
「本当突然ね、『コメがないんよ』と。『入ってこんのよ』という話から、『なにそれ?』と。もしかしたら値段がめちゃめちゃ上がるかもしれないと。2割3割じゃすまんかもしれんよと脅されましたよ」

「コメがない」とは、いったいどういうことなのかー。

福岡市内にある米の販売店を訪ねてみると…

◆米のしんかい・みのりや 新飼哲哉 代表理事
「こちらが玄米の倉庫です」

◆川崎キャスター
「あまりお米が無いですね。倉庫なのにガランとしてますよ」

倉庫の中はほとんどが空きスペースで、米袋がまばらに積まれている程度でした。

Q.普段はどれぐらいコメが積まれている?
◆米のしんかい・みのりや 新飼哲哉 代表理事
「壁一面が見えなくなるぐらいまでギュウギュウに詰まっている」

今年3月以降、農家からの出荷量が激減し、現在、店で扱っている量は去年の半分以下。

卸先である飲食店やスーパーに対し数量制限をかけて販売しています。

Q.これほどのコメ不足はあった?
◆米のしんかい・みのりや 新飼哲哉 代表理事
「『ここ30年はなかった』と言われていますね」

さらにこの店では店頭販売も行っていますがー。

◆米のしんかい・みのりや 新飼哲哉 代表理事
「いつも20種類ぐらい玄米を販売しているんですが、(今は)10種類程度になっている」

中でも価格への影響が大きいのが、県産米として人気の「夢つくし」。

例年のこの時期は5キロ・1700円で販売していますが、現在は2200円。

仕入れ値が高騰しているため、売り値に転嫁せざるを得ず、この店では全品種の平均で20%の値上げとなっています。

◆コメ不足 いつになったら落ち着く?

Q.お客さんの反応は?
◆米のしんかい・みのりや 新飼哲哉 代表理事
「やっぱり『高いね』というのが第一声。ただ、『夢つくしや元気つくしがいい』という方は多いですね」

まさに「令和のコメ騒動」とも言える状況ですが、ではなぜ、こんなにもコメが足りないんでしょうか。

そこには、2つの理由があります。

◆米のしんかい・みのりや 新飼哲哉 代表理事
「1つは、コロナ禍になり外食需要が落ち込んで、コメの生産自体が落ち込んでしまった。作付けも減ってしまった」

新型コロナをきっかけとした大幅な「コメ余り」を受けて全国の作付面積が10%減ったことが、最大の要因です。

もう1つが、近年の災害レベルの猛暑で稲が高温障害となり深刻な不作に陥っているためです。

店も取材に対し「本格的に品種改良を進めないと、これまでの品種を日本で育てるのは難しくなる」と話していました。

そして消費者として気になるのは、「いつになったらコメ不足が落ち着くの?」ということですが、取材した販売店によるとー

▽新米のうち「早期米」と呼ばれる品種が7月末から出回るため、流通量は増えてくる
▽一方で価格はまだ高値傾向が続き、収穫最盛期の秋から年末にかけて落ち着く見通し

とのことで、まだ数カ月は価格が高い状況が続きそうです。

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