少子化が加速しているにもかかわらず、どうして教員不足は深刻化しているのか。要因は複合的だが、主に3つの理由が挙げられる。

1つ目は、子供の減少に対し、クラスが減少するペースがゆっくりであるためだ。総務省によると、令和3年4月時点で15歳未満の子供は1493万人。昭和57年から40年連続で減っている。

一方、公立小学校の1学級あたりの児童数は上限が40人だったが、きめ細かな指導を行うため、国は「少人数学級」を拡大している。令和7年度に全ての学年で35人学級化が完了する。学級数の減少は抑えられ、教職ニーズは依然として高い。

2つ目は特別支援学級の拡大だ。令和4年は7万7千学級と平成24年(4万8千学級)の1・6倍になっている。背景には、発達障害などと診断される子供の増加や、きめ細かな配慮を求める保護者の意向がある。

3つ目が産休や育休の取得の増加だ。団塊世代の大量退職に伴って採用した世代が出産適齢期を迎えており平成24年の1万5千人から令和4年には2万4千人になった。

このほか、精神疾患などの病休も増加。また、採用試験に不合格となった教職志望者が臨時講師を務めることで欠員が補填(ほてん)されていたが、人気低迷に伴う競争率の低下から合格しやすくなり、臨時講師のなり手が減ったことも理由の一つだ。(大森貴弘)

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