毎年8月に秋田・鹿角市で開催される七夕行事「花輪ねぷた」。若者の流出などで準備や運営を担う人手不足が深刻化する中、祭りの目玉である灯籠の制作に挑戦する子どもたちにスポットを当てる。

市内の小中学校に制作を依頼

花輪ねぷたは、鹿角市に江戸時代から伝わる七夕行事で、将棋の駒の形をした「王将灯籠」と呼ばれる灯籠を燃やして、無病息災や家内安全を祈る。

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開催は毎年8月で、花輪地区の10町内で作られた灯籠が市の中心部を練り歩く。

灯籠には高さ5メートル以上のものと、約1.5メートルのものの2種類あり、各町内で大人と子どもに分かれて制作してきた。

しかし、花輪ばやし若者頭協議会の盛内優紀会長によると、近年は若者の流出や子どもの減少でかなり運行が厳しくなっていて、祭り当日だけでなく準備段階でも人手不足で、祭りを維持するのに非常に苦労しているという。

町内の中には、子どもだけでは灯籠を作ることができず、大人たちが大小2つの灯籠を制作しているところもあるという。

そこで、祭りを取り仕切る協議会は、2024年から市内の花輪小学校と花輪中学校に灯籠に貼り付ける絵の作成を依頼することにした。

真剣な表情で、灯籠の絵の制作に取りかかる子どもたち。

盛内会長は「将来的に、今回の企画をきっかけにして『絵師になりたい』とか、少しでも絵に興味を持ってもらって『祭りに参加したい』とか、少しでも新たな人手を囲っていければいいなというのが目的」と話す。

花輪小学校の児童が担当したのは、よろいかぶとを身に着けた武将などが描かれた武者絵4枚。

各町内の絵師から指導を受けながら、5月から作業を進めてきた。この日は絵に色を塗る仕上げの作業を行った。

児童たちは「色が薄いものを描いてから濃いものを描いたりするのが難しかった」「みんなで協力して描けたので楽しかった。祭りで見せるのが緊張する」「『この絵すごい』って思ってほしい」などと話していた。

お父さんが指導者として参加していた藤井夢月さんは「『そういうふうに塗ればいいのか』と、お父さんの作業を見て勉強になった」と話す。

一方、父の脩平さんは「あまり直接指導はできなかったが、他の講師から『上手だった』と言ってもらえて良かった。こうやって絵ができていることを知らない子もいるので、こうした活動を通じて他の地区の子たちにも知ってもらって、参加してもらいたい」と語った。

花輪ばやし若者頭協議会・盛内優紀会長:
当日は大太鼓の演奏もあり、大きな王将の絵が練り歩く。8月8日のクライマックスでは、稲村橋で花火が上がったり、一生懸命描いた絵を燃やしてしまったりする場面もある。そうしたところが見どころ

みんなの力で盛り上げる花輪ねぷたは、8月7、8日に行われる予定で、花輪小学校の児童が描いた絵は両日とも披露される。

(秋田テレビ)

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