東京女子医科大学(東京都新宿区)の同窓会組織「至誠会」が推薦入試や職員採用で寄付金を受け取るなどした問題で、文部科学省は6日、同大に対し、責任の所在の明確化や改善計画の策定を検討するよう口頭で行政指導した。一方、同大は7日にも理事会を開き、岩本絹子理事長の解任動議を提出することを決めた。
同大の理事らが6日午前、一連の問題を検証していた第三者委員会の報告書を説明するため文科省を訪問した。文科省によると、改善に向けた取り組みを検討して取りまとめることなどを求めたという。岩本氏は不在だった。
関係者によると、5日に開かれた教職員向けの説明会で理事から岩本氏の辞任を求める発言があった。岩本氏は一連の問題について謝罪する言葉はあったものの、進退について明言は避けたという。理事会は岩本氏の責任を重くみており、岩本氏の判断を待たずに7日に解任手続きに入る方針だ。
2日に公表された同大の第三者委報告書では、卒業生の親族向け推薦入試で同大と至誠会が受験生親族から寄付金を収受したと認定した。文科省は2002年の通知で、私大の入学に関して寄付金を収受することを禁じており、私学助成金が不交付や減額となる可能性もある。
至誠会を巡っては、勤務実態のない岩本氏の側近職員に給与を支払っていた疑いがあるとし、警視庁が24年3月、岩本氏の自宅と大学本部を一般社団法人法違反(特別背任)容疑で家宅捜索した。同大は4月、山上秀明・元最高検次長検事を委員長とする第三者委を設置。第三者委は7月31日に報告書を同大と文科省に提出した。【井川加菜美、斎藤文太郎】
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