津市一志町の地層から見つかったイルカ頭部の化石。新属新種と分かり和名で「ミエイルカ」と名付けられた=三重県立博物館提供

 津市の三重県総合博物館は20日、津市内で33年前に見つかったイルカの化石が新属新種と認められ、三重の中新世時代のイルカを意味する「ミオデルファイヌス・ミエンシス」(和名・ミエイルカ)と命名されたと発表した。

 同館によると、ミエイルカはガンジスカワイルカの仲間で、耳の骨と頭の骨の形から新しい属に分類される新種だとわかった。

 この化石は1991年に市立亀山西小5年だった坂佳彦さんが津市一志町の前期中新世(約1800万年前)の地層から発見し、同館に寄贈した。

 地質学が専門の中川良平・同館学芸員と鯨類の進化に詳しい札幌市博物館活動センターの田中嘉寛学芸員が2021年からこの化石を研究。論文を古生物分類学誌に掲載したところイルカの新属新種だと認められた。

 ミエイルカの化石は博物館で開催中の企画展「標本」で展示している。【下村恵美】

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