妊娠が確認された雌のメイ(左)と雄のダイ=安佐動物公園提供

 国内で唯一、マルミミゾウを飼育している安佐動物公園(広島市安佐北区)は21日、雌のメイが妊娠したと発表した。14日にエコー検査で妊娠したことが判明した。マルミミゾウの妊娠が確認されたのは国内で初めて。

 マルミミゾウは、アフリカ中央部から西部の森林地帯に生息しており、小型で耳の形が丸いのが特徴。国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでCR(深刻な危機)に分類されている。安佐動物公園によると、世界の動物園で3頭しか飼育されておらず、そのうち2頭が安佐動物公園にいる。

 メイは推定25歳で、2001年に西アフリカのブルキナファソから来園。22年4月には、山口県美祢市の秋吉台サファリランドから推定25歳の雄のダイも移ってきた。

 ゾウの発情期は3カ月に1回程度で、1回あたり数日間しか続かない。メイの定期的な血液検査で周期を見極め、発情期に合わせてダイとの定期的な同居を繰り返し、昨年12月に交尾が確認された。

 妊娠期間は20~22カ月とされ、来年の8~10月に出産予定。阿部勝彦園長(57)「妊娠していることが判明し、喜ばしい限りです。妊娠期間が非常に長いため、引き続き温かく見守っていきたい」と話した。【井村陸】

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