8月も後半となりましたが、まだまだ暑い日が続いています。そんな中で、京都では「ある異変」が起きているといいます。

猛暑の影響を受ける、観光地のいまを取材しました。

■川床は45度以上!ランチ営業は中止 外のイベントは「夜」開催へ

京都市では、19日、20日と雨が降った影響で、少し暑さが落ち着いたものの、21日は再び最高気温が35度を超え、猛暑日になりました。

ことしの夏は、7月上旬こそ、最高気温が30度程度の日も多かったものの、中旬以降は16日連続で最高気温が35度を超える猛暑日となるなど、深刻な暑さが続いています。

そんな中で、京都の夏の風物詩にも影響が。

【記者リポート】「鴨川沿いには川床が並んでいますが、お客さんの姿は全くありません」

ことし5月には多くの人でにぎわっていた鴨川の納涼床。

一体、何が起きているのか?話を聞いてみました。

【割烹「露瑚」女将 小林楓さん】「8月はこの暑さなので、営業は外ではできない状況でして」

猛暑のため、客が座る木製の床の部分は、かなりの高温に。

【記者リポート】「床もかなり熱くなっていて、いるだけで汗が出てきます」

サーモグラフィーカメラで見てみると、45度を上回っていることがわかります。

こちらの店では普段から、ひさしなどで暑さ対策をとっているものの、8月についてはランチ営業の中止を決定。売り上げは、去年と比べて200万円ほど減ってしまう見込みだということです。

【割烹「露瑚」女将 小林楓さん】「熱中症の危険性もありますので。9月は涼しくなることを期待して、お客様もたくさん増えることを期待して、営業したいと思っています」

暑さの影響は、他にも。

平安神宮前で行われ、手づくりの商品が多く集まることで人気の「平安楽市」は、暑さ対策のため8月のみ、時間をずらして「夜間開催」としました。

【平安楽市を運営 クラフト 工藤健太郎さん】「晴れることはよろこばしい。ただ近年は事情が変わっていて、暑くなるほどイベントを安心して楽しめなくなることに悩んでいる。死活問題ではあるのかなと」

■観光シーズンの楽しみ“和装” 猛暑では売り上げ半分

さらに、街中の様子にも、ある変化が。

観光シーズンには、和装に身を包み、街歩きを楽しむ人の姿が多くみられましたが、21日、嵐山の渡月橋では、そうした人はほとんど見られず。取材班が撮影した30分の間に、着物や浴衣で歩く姿を確認できたのは、わずか4組でした。

京都市内のレンタル着物店によると、夏は、春と秋の行楽シーズンに比べると、売り上げが半分ほどになるということです。

猛暑の中、観光から戻ってきたお客さんも思わず…。

【スコットランドから・男性】「汗かいたよ!とっても暑い!暑かったね。(Q.特にどこが?)帯!」
【スコットランドから・女性】「とっても暑かったけど、素晴らしい経験でした」

そして、最近はこんな変化が。

【レンタルきもの岡本清水店 スタッフ】「今までは丸一日着物を着て、観光を楽しむお客さまが多かったのですが、いま日中の暑さが猛暑というのもありますので、目的地を決めて早めにお戻りになられるお客さまが多いです」

■観光は午前中に…「涼しいうちに全部回る」

暑さの影響で京都の夏は少し寂しいかと思いきや、朝から人が並んでいる場所がありました。

午前8時、オープンと同時に、続々とお客さんが入っていきます。

朝から観光客でにぎわっていたのは、嵐山のカフェです。お目当ては、あんバタートーストやフレンチトーストなど、「モーニング」のセット。

いま京都では、いわゆる「朝活」スポットの人気が高まっています。

【東京から】「人が朝だと少ないから。この後、朝ごはん食べたら、清水の方行って、涼しいうちに全部、色んな所回って」

【韓国から】「竹林の写真が撮りたくて早起きしました」

この店では、5年前からモーニングのサービスを始めましたが、なんと今では、ランチを上回るほどの人気だということです。

【パンとエスプレッソと嵐山庭園 津島亜美さん】「だいたい朝一にちょっと混んで、昼、暑い時間帯落ち着いて、昼過ぎくらいから暑いから、かき氷を食べに来られるお客さまもいらっしゃるので、朝と夕方、昼過ぎあたりがお客さま多いかなという印象」


また、京都市内のホテルによると、猛暑の中での「街歩き」のかわりに、ホテル館内の足湯や温泉でゆったりと過ごす人が増えていて、宿泊客の日中の滞在時間が伸びているということです。

【空庭テラス京都スーパーバイザー 山田冨記子さん】「酷暑が続いていますので、あえて果敢に、お昼間出てぐったりするよりも、日が落ちてから行動に移られるお客さまが増えてまいりました」

猛暑とともに姿を変えた観光地・京都。影響はまだしばらく続きそうです。

(関西テレビ「newsランナー」2024年8月21日放送)

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