この春、小学校に入学した女の子。彼女にとって、歩いての通学は決して楽なものではありません。それでも特別な思いで歩く学校への道のりを取材しました。

宮崎市に住む今村華蓮さん。この日は、小学校の入学式。

(今村華蓮さん)
「お友達をつくって遊びたい。楽しみ。」

私たちが華蓮さんに出会ったのは4年前、新型コロナの収束を願う打ち上げ花火を取材している時でした。

(父・裕之さん)
「この子も病気しているから、いい機会だと思って、花火をあげていただいたので良かったです。」

華蓮さんは、先天的な心臓の難病をもっています。血液を肺に送るポンプの役割をする心臓の右心室が生まれつき極端に小さいため、正常な血液の循環ができず、全身の酸素が不足してしまう病気です。

華蓮さんは、成長に合わせて手術を3回受け、生後6カ月から酸素チューブをつける生活を送ってきました。

あれから4年。酸素チューブが外れ、幼稚園にも通うことができた華蓮さんはこの春、小学校に入学しました。

ただ、華蓮さんの病気は先天的なもので、生涯にわたって病と付き合っていかなければなりません。

入学式の日、父親の裕之さんは、教室で華蓮さんの病気について話す時間を設けてもらいました。

(父・裕之さん)
「ちょっとお願いなんですけど、華蓮を後ろから押したりすると、頭を打って頭の中で出血をするのが一番怖い。普通に走れるし、暴れたりもするので、もしこの子が倒れたりして気分が悪そうだったら、先生に言っていただくなどして、対処していただきたいと思います。」

(華蓮さん)
「いってきます!」

学校までは約1.5キロ。40分の道のりをランドセルを背負って登校します。

(父・裕之さん)
「車で送ってもいいんですけど、まだちょっと普通の運動ができないので、基礎体力つけるためにも歩いていってもらうようにしています。」

疲れても決して「帰る」とは言わない華蓮さん。それは、学校生活が楽しみで仕方ないからです。

(父・裕之さん)
「きょうも1日がんばるぞ。」

(華蓮さん)
「お〜!」

できることは全力で頑張る。待ちに待った学校生活が始まりました。

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