7月22日、高知・安芸市の赤野地区で約600年の歴史を誇る伝統行事「赤野獅子舞」が地元の神社で奉納された。太鼓のリズムに合わせ、子どもたちが一心不乱に繰り広げる舞を、訪れた人たちは温かく見守った。

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本番前に緊張も「かっこいい踊りを」

「赤野獅子舞」は、毎年7月の夏祭りと10月の秋祭りで奉納していて、県の無形民俗文化財に指定されている。かつては赤野地区の6つの集落が持ち回りで奉納してきたが、人口減少により継続が困難に。コロナの影響もあり、一時存続が危ぶまれたものの、地元の若者たちが力を合わせ、2023年開催にこぎつけた。

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そして2024年は、去年の祭りに感動した子どもたちが新たに15人地区の内外から集まり、本番にむけて半年以上練習を重ねてきた。

本番を前に緊張した様子の子どもたち。

「赤野の伝統を守りたいから、もっとうまくなってみんなに見せたい」と練習で話していた安芸市・赤野小6年の吉田奏斗くん。「ちょっとだけ緊張しています。みんなにわかるように、表現を大きくするようにしたい」と意気込んだ。

安芸市・土居小3年小松世奈くんは「緊張する」と話しながらも、「かっこいい踊りを見せたいです」と力強く語った。

「観客のみんなが支えてくれている」

そしてついに7月22日、赤野の大元神社で祭りが幕を開けた。

「赤野獅子舞」に登場するのは、眠る獅子(しし)と獅子をからかう子「テガイコ」。寝ていた獅子が起こされて暴れだしテガイコとの格闘が始まる。獅子をからかうテガイコのユーモラスな表情や動きが観客の笑いを誘う。

ユーモラスな表情や動きで獅子をからかう「テガイコ」(右)

22日は「酔うたんぼう」や「種まき」など5つの演目が披露された。太鼓のリズムに合わせ一心不乱に繰り広げる子どもたちの舞を、訪れた人たちは温かく見守っていた。

安芸市から訪れた人は「なかなかすばらしいですね。かなり練習しているなと思いました」とコメント。

テガイコの2人も満足げな表情だった。

土居小3年・小松世奈くん:
楽しかったです。ミスしたところもいくつかあったけど、最後まで踊れて良かった。

赤野小6年・吉田奏斗くん:
自分にしてはけっこうできた。なんか(観客の)みんなが支えてくれている感じがした。

太鼓をたたく安芸市・赤野小6年有光健くんは、手にマメを作りながらも、見事なバチさばきで大役を果たした。

赤野小6年・有光健くん:
大変やったけど、練習で習った通りに最後までたたききれたので良かったです。

母親の純子さんは、そんな息子の勇姿を会場で見守った。

健くんの母・有光純子さん:
きょうも途中ハラハラしたんですけど、やりきってくれて良かったです。こんなこと(行事)ってなかなか少なくなってきていると思うので、やめるのって簡単やと思うんですけど、続けていくのってすごく大事なのでみんなで力を合わせて続けていけたら。

赤野の伝統を自分たちの手で守りたい。歴史をつないだ子どもたちの顔は誇らしげに輝いていた。

(高知さんさんテレビ)

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