牧野植物園で食虫植物の仕組みや生長過程がわかるイベントが行われている。2024年はムジナモの赤ちゃんが公開された。国内の植物園で発芽が確認されたのは初めてで、その成長過程を解説した展示も見どころだ。

虫からも栄養補充「食虫植物」の神秘

高知県立牧野植物園で行われている「食虫植物展」。ハエトリグサや県出身の植物学者・牧野富太郎博士が学名を付けた食虫植物など、約60種類、150株が展示されている。

この記事の画像(6枚)

本来、植物は根っこを通して土などから養分をとるが、食虫植物は湿った荒野や湿原など養分の少ない環境で育つものが多いため、虫からも栄養を補充する。

「ネペンテス・トルンカタ」は、においで虫をおびき寄せるウツボカズラの仲間で、虫を捕まえる「捕虫袋」は長さ30cm以上と世界最大級だ。虫だけでなく小型のネズミやトカゲも捕まえるという。

7月上旬に発芽したばかりの「ムジナモ」の大きさは、約1cm

一方、ミジンコやボウフラを捕まえるムジナモの“赤ちゃん”は、7月上旬に発芽したばかり。大きさは約1cmで、よく見ると苗の下にまだ種がくっついているのがわかる。

東京都から訪れた人は「ちゃんと種があってそこから少し(苗が)出てて、かわいらしい」「自分が生存していくために、色んな方法で虫を捕まえて。自然界の神秘を感じました」と語った。

初の発芽確認「ムジナモ」の展示も

ムジナモは、1890年に牧野博士が東京・江戸川区の用水池で発見し和名を付けた。花や種などを描いた細かい植物図は残されているが、発芽した苗は描かれていない。

園によると、国内の植物園で発芽が確認されたのは初めてで、植物展では、ムジナモの発芽直後の写真や発芽までの栽培過程などを解説したパネルも展示されている。

牧野植物園・丹羽誠一さん:
種から発芽した苗、こういうふうにムジナモは成長していくという過程を皆さんに見ていただきたい。

「食虫植物で植物の多様性を感じてほしい」と話す丹羽さん。特に、子どもの夏休みの自由研究の題材にもおすすめだという。

食虫植物展は9月1日まで開催される。

(高知さんさんテレビ)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。