人気観光列車「SL人吉」として活躍し、3月に引退した「蒸気機関車58654号機」の見学会が2日、北九州市小倉北区のJR九州小倉総合車両センターであった。県内外から多くの鉄道ファンが集まり、「ハチロク」の愛称で長年親しまれたSLの姿を目に焼き付けた。
58654号機は1922(大正11)年に製造され、75年まで九州各地を走った。88年にJR豊肥線の熊本(熊本市)―宮地(熊本県阿蘇市)間で観光列車「SLあそBOY」として復活し、2005年まで走行。09年にSL人吉として再復活したが、老朽化を理由に今年3月に運行を終えた。
車両は点検・整備のため、熊本車両センター(熊本市)から2日に小倉総合車両センターに移された。到着後に開かれた見学会には延べ42人が参加。SLの動輪部分に設置している、往復運動を回転運動に変える装置「主連棒」の取り付け工程を見学したほか、運転席での記念撮影などを楽しんだ。
熊本県八代市から参加した会社員の杉本健悟さん(28)は「昨夜、熊本を出発する姿を目にして寂しい思いでしたが、小倉でこうしてまた会えて良かった」と喜んだ。和歌山市から来た会社員の久保仁嗣さん(35)も「天候にも恵まれ、かっこいい蒸気機関車を最後に見学できて良かった」と笑顔を見せた。
車両は今後、熊本県人吉市に無償譲渡され、11月からJR人吉駅前で展示される予定。【城井謙治】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。