知る人ぞ知る長野県松本市の春の風物詩です。それは、僧侶が集団で『バイク』で走る姿。「坊走族」と呼ばれています。檀家を回って托鉢を行っていましたが過去4年はコロナの影響で中止に。今年、5年ぶりに復活しました。

松本市内をさっそうと走る『バイク』の集団。運転しているのは、袈裟を着た「僧侶」。

「坊走族」と呼ばれています。

全久院・倉科利行住職:
「私たちが行くと皆さんが分かってくれるのでスクーターで回るというのは『坊走族』はいろいろな意味で良いなと思う」

「坊走族」は市内40ほどの寺で作る「松本仏教和合会」の僧侶で構成されています。毎年、この時期にバイクで檀家を回り托鉢を行っているのです。

托鉢は釈迦の誕生を祝う5月の「お花まつり」に合わせ、80年以上前から行ってきました。

檀家の数は市内全域で500軒以上あり、35年ほど前からは小回りの利くバイクを使うようになったということです。

「坊走族」は松本の春の風物詩として市民に親しまれてきましたが、新型コロナの影響で2020年から2023年までの4年間は中止しました。ようやくコロナ禍もあけ今年5年ぶりに復活。

「坊走族」のメンバーも気合が入ります。

松本仏教和合会・倉科利行会長:
「『懐かしいね』『5年ぶり、すごいね、元気だった?』というような、優しく穏やかに迎えてもらったのは、とてもうれしかった」

ただ、5年前は約20人で檀家を回っていましたが、感染対策もあり、今年は多くても10人です。

それでも檀家たちはー。

檀家:
「本当にうれしいです。待っているものですから大歓迎。ご先祖様も喜んでくれていると思います」
「こうして大勢の方に来ていただいてお経を上げてもらうと、ありがたみが違うという思いで、復活して良かっと思います」

自性院・鳥羽宏信副住職:
「久々にうかがうお宅ばかりなのですが『来ていただいてありがとうございました』とか『お待ちしてました』とか、温かく迎えていただいて感謝の気持ちでいっぱい」

さらに今年は檀家に事前にアンケートをとり、感染に不安がある人には玄関前での読経も取り入れています。

檀家も少しずつ減り、時代も変化してきています。それでも伝統を残していこうと「坊走族」は走り続けます。

全久院・倉科俊浩副住職
「バイクに乗って、たくさんお坊さんがそれぞれのお宅により、お参りするということは、他の地方ではないので、松本地域の独特の文化として残ってそれがつながっていけばいいなと」

集まった浄財は5月4日の「お花まつり」に充てるほか、能登半島地震への義援金として贈ることも検討しています。今月末までほぼ毎日走る予定です。

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