介護業界で人材不足が深刻になる中、広島市に来月オープンする有料老人ホームが入居者の介護支援に活用するのが最新のAIです。
一体、どんなものか取材しました。

広島市南区にオープンするのは、介護事業を手掛けるベネッセスタイルケアによる県内初の有料老人ホームです。
地上10階建てで71部屋を備え、看護職員を24時間配置するなど医療ケアにも対応しています。

【野川アナ】
「こちらが一番広い部屋で60平方メートルあるということなんですが、すごいですね。高級ホテルと見まがうようなラグジュアリーな空間が広がっています。こちらの施設それだけではないんです。キーワードはAIです」

こちらの会社では介護職に社内の認定制度を設け、より専門性の高い職員を「マジ神」と呼んでいます。
導入するAIは、その「マジ神」たちが認知症のケアなどで培ったノウハウをデータ化して介護支援に活用するというものです。

【ベネッセスタイルケア介護職(マジ神)安食香澄さん】
「食事量や睡眠時間様々なグラフが見られるが、そういった情報をみてマジ神AI自身が今(入居者が)怒っているのはこれが一番の要因かもしれないとヒントを出してくれるようになっています」

例えば、排便が困難な場合、水分の摂取量の不足や活動機会の減少で腸の働きが弱っているといったヒントをAIが提示してくれます。

【ベネッセスタイルケア介護職(マジ神)安食香澄さん】
「本当の原因にたどり着けるので本当に入居者が困っていることをちゃんと解決できるのが一番いい」
Q:マジ神ではない方もこれを見たときに対応できる対象のスタッフが広がることも意味する?
「そうです」

こうしたAIの活用は入所者が快適な生活を送るための新たなツールとなりそうです。

【ベネッセスタイルケア・安達覚史執行役員】
「これからこの方がどんな生活をしていきたいのか、マジ神AIを使って お客のQOLを高めることができる。最後までその方らしく生きてもらうためにも私たちは支援していきたい」

(スタジオ)
【加藤キャスター】
ここからは野川さんです。

【野川アナ】
取材に行ってAIの頭脳と人の目、このベストミックスを探っていくというのが新しい時代の介護の鍵になるかもしれないと感じました。

いまご覧いただいたVTRで皆さん一番印象に残ったのはおそらく…”マジ神”こちらではないでしょうか。
介護に関する優れたスキルを持つ人材を指すベネッセ社内での資格ということなんですが、これをAI化した”マジ神AI”を活用して利用者と向き合うということなんですね。

介護にAIを活用するその背景には、高齢化に伴って介護が必要な人が、増えていく一方で、介護する側の人数が足りないという現状があります。
この問題への対応として国はこういった5つの方向性を示しています。
1.介護職員の処遇の改善
2.多様な人材の確保・育成
3.離職防止・定着促進・生産性向上
4.介護職の魅力向上
5.外国人材の受入環境整備

その中のこちら”生産性の向上”…。
今回の場合は、AIを活用することで「介護に必要な人数そのものを減らす」ことを目指す取り組みなんです。
利用者ひとりひとりへのきめ細かい対応をするためのガイドになると同時に、介護に精通する人間を増やすための教材ともなり得るAIの活用。
人手不足が深刻な介護業界の救世主となり得るか注目です。

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