Z世代と呼ばれる若者を中心に、昔懐かしい「昭和レトロ」のブームが続いている。昭和から親しまれてきた化粧品は「レトロコスメ」として交流サイト(SNS)で注目を集める。その一つが青いボトルの「明色美顔水」。発売以降139年間も愛され続ける超ロングセラーの化粧水だ。
ルーツは明治18年に発売された「にきびとり美顔水」。老舗の化粧品メーカー「桃谷順天館」の創業者、桃谷政次郎(1863~1930年)が西洋医学を学び、ニキビに悩む妻のために開発したもので、「日本初の西洋医学処方による化粧品」として公益社団法人日本化学会から当時の容器3本が「化学遺産」に認定されている。
美顔水は、時代に合わせてボトルの形を少しずつ変えながら、配合する成分は当時のまま、グループ会社の明色化粧品に受け継がれている。変わらない良さを残しつつ、最近では人気アニメとタイアップした限定デザインを展開するなど、若年層にも浸透。長く支持されている理由について、同社は「処方が変わらないことへの安心感や信頼感があるからではないか。デザインやパッケージのノスタルジックな雰囲気が新鮮に見えるのも魅力の一つ」と分析する。
桃谷順天館は、昭和に入ってからもメーク落としのクリームなどヒット商品を連発した歴史がある。29日の「昭和の日」をきっかけに、来年6月に迎える創業140周年に向け、古き良き化粧品を歴史史料として発信していきたいという。
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