ある名古屋市立学校の「入学のしおり」に書かれている市教育会への入会を促す記述

 名古屋市内の公立学校の校長らで作る任意団体「名古屋市教育会」が各校の文化活動や教職員研修への支援を名目に保護者から会費を集めていることについて、坪田知広教育長は19日の市議会本会議で、「教職員の負担軽減に向けた募集方法の検討を教育会と協議したい」と述べた。

 この問題では、市立の幼稚園や小中高校で毎年新年度にクラス担任が「教育会入会のお願い」と書かれたチラシを子どもに配布。1口100円の会費を保護者に募り、担任が学校で徴収し、領収書を発行している。

 質問した中川敦史市議(減税)は「働き方改革の中、校内で教員を下請けかのように扱っている」と批判。任意加入にもかかわらず、一部学校が入学書類で入会を求めている点なども指摘した。坪田教育長は「保護者に誤解が生じているのであれば、改めていくよう教育会と協議していく」と述べた。

 30代の男性教員は毎日新聞の取材に「年度初めの忙しい時期に負担でしかない。(小銭ばかりのため)両替まで強制され、これが校務なのか疑問。これを機にうみを出し切ってほしい」と強調した。

 問題を巡っては、河村たかし市長は「(担任による募集を)やってはいかん。全容を明らかにしたい」などと述べ、市教委に全面調査を求めている。【川瀬慎一朗】

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