秋田市の日本赤十字秋田看護大学・短期大学で23日、楽しみながら災害について学ぶイベント「防災キャンプフェス」が開かれた。子ども大人も高齢者も、さまざまな人が訪れ、体験や非常食の試食などを通じて災害時の備えを学んだ。
秋田市の日赤秋田看護大・短大の恒例イベント「防災キャンプフェス」は、新型コロナウイルスの影響で中止されていたが、5年ぶりに開かれた。校内には28のブースが設けられ、訪れた人が楽しみながら防災を学んでいた。
「アルファ化米」の「白がゆ」作りが体験できるブースでは、訪れた人たちが、容器に湯、または水を入れて混ぜ、出来上がるのを待っていた。
「アルファ化米」を備蓄している家庭は多いかもしれないが、日常生活の中で味を確かめておくと、いざという時に安心だ。
出来上がった白がゆを食べた子どもは「おいしかった」と笑顔を見せた。子どもの母親は「最近、地震や雨が多いので、備えておければと思って来た。小さい頃から触れていたら良いかなと思って一緒に来た」と話した。
災害時の「ペットとの付き合い方」を学べるブースもあった。
日赤秋田短大の及川真一さんは「人間と同様に、犬や猫も個体によって防災グッズ・避難用のグッズは異なる。一番大切なのは、実際に避難する場所の確認だと思う。避難できるかできないか」と話す。
備えと合わせて、ペットの受け入れをする避難所を確認しておこう。
また、ペットの名前や飼い主の連絡先を記した「迷子札」を作るコーナーでは、訪れた人たちが色やデザインなどを自由に選んで、オリジナルの札を作っていた。
参加した女性は「人がいないときは、わりとリードを普段からつけないで散歩をさせているので、もしもの時にと思って作った。これからは常につけておかないといけないかなと思う」と話していた。
環境省がまとめた「東日本大震災におけるペットの被災概況」によると、首輪だけをしていた604匹の犬のうち、飼い主が判明したのは85匹。一方、迷子札をつけていた犬は全て飼い主が特定されたという。
大切な家族と離れ離れにならないために、普段から身につけておくと安心だ。
このほか「やさしい日本語」を学べるブースもあった。「やさしい日本語」は、外国人に迅速かつ正確に災害情報を伝えるものだ。
ブースの担当者は「ドンドン・バタバタなどの擬音語を使わない、これも日本特有の言葉なので注意してください。漢字の量を減らして、漢字にルビをふると外国の人にも分かりやすい表現になります」とアドバイスしていた。
災害時によく耳にする「大雨警報です」を、やさしい日本語にするとどうなるか。答えは「雨がたくさん降ります。気を付けてください」だ。
簡単な言葉を使い、一つの文章を短くすることで、多くの人に災害の危険性を伝えられる。
秋田県内にいる外国人は約5200人。日本特有の表現は伝わりにくいものがあるため、「やさしい言葉」に変えて伝えるように心がけよう。
災害は、いつ、どこで起こるか分からない。「日常の体験」を、いざという時のことを考えるきっかけにしてみてはいかがだろうか。
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