秋田の新米がまもなく全国の食卓に届く。秋田県産の新米の出荷が始まり、「あきたこまち」を乗せたトラックが25日、関東や中京地区に向けて出発した。生産者の努力によってすこぶる良いコメに仕上がっているという。
トラックやコンテナに積み込まれたのは、この秋に美郷町と横手市で収穫された「あきたこまち」21トン。
25日朝、秋田市のJA全農あきたの精米センターで、関係者が初出荷を祝った。
JA全農あきた運営委員会の小松忠彦会長は「天の恵み、地の恵み、人の恵みによって初出荷できることに感謝している。ことしは本当に自信を持って、消費者の皆さんにおいしく高品質なコメを届けることができる」と自信をのぞかせた。
秋田米は、2022年、2023年と大雨や猛暑などの気象条件に悩まされ、等級・収量ともに落ち込んだ。
2024年も夏場の暑さが厳しかったものの、3年連続の不作・品質低下を防ごうと生産者が奮闘。昨夏の猛暑から得た教訓を生かし、冷たい水を田んぼに入れ続けるなどの工夫を凝らして育て上げた。1等米の比率は100%に近いという。
味の良さはもちろん、粒にはつやがあり、あきたこまちの良さが詰まったコメに仕上がった。日中と夜の寒暖差が大きかったことで粘りと甘みが強くなっていて、JAは「2023年よりすこぶる良い」と品質に太鼓判を押す。
2024年でデビュー40年を迎えたあきたこまち。ミスあきたこまちの林佑果さんと佐々木梨里花さんも「ことしもおいしいあきたこまちができました。いっぱい食べてください」とPRする。
JA全農あきた運営委員会の小松会長は、2024年のあきたこまちの概算金が過去10年で最も高くなったことに触れ、「消費者の方々にこれからもずっと食べてもらうためにも、作る側の生産費をカバーできる、再生産できる価格設定について理解してもらい、一緒になってコメを大事にして食べてもらう。食料の大切さ、農業の大切さを互いに理解していくことができれば」と語り、理解を求めた。
JAは2024年、約15万トンを販売する予定で、約9割が県外向けだという。
25日に出荷されたあきたこまちは、早ければ27日から関東や中京地区の店に並ぶ。
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