千葉県大多喜町を走る気動車

日本の空の玄関口である成田国際空港からのアクセスが良好な千葉県栄町も、24日に人口戦略会議が公表した自治体の持続可能性についての分析結果で、「消滅する可能性がある」と判断された。住宅開発などに力を入れ、移住者は増えているが、町内には高校や大学がない。担当者は「若者が流出し続ける状況で、いびつな人口構造になっている。なんとか解決したい」と危機感を募らせる。とはいえ人口減少を止める特効薬はなく、「これまでと同様に子供を育てやすい環境を整備し、街づくりを含めた移住定住政策に力を入れていくしかない」と話す。

出産祝い金など子育て世帯への支援を手厚く展開してきた同県大多喜町も、人口減少に歯止めがかからない状況だ。担当者は「歴史ある建築物や養老渓谷など町に点在する魅力のPRも積極的に行い、交流人口の増加にも取り組んでいく」と力を込めた。

同県多古町も平成7年以降人口が減り続けている。担当者は「子育て世帯や若者への経済的支援にも力を入れてきたが、自治体の頑張りだけでは限界がある」と頭を悩ませる。

ただ、手をこまねいているわけではない。民間事業者と協力して移住を希望する子育て世帯の受け皿となる「子育て支援住宅」を新築。防音構造や学校やスーパーが近いのが特徴で、計12世帯分を用意したが、令和6年7月の入居開始を前に満室となった。

宝島社の月刊誌「田舎暮らしの本」(2024年2月号)の集計では、高齢者・子育て世代が移住したい町として首都圏エリアのランキングで2位に輝いた。

(松崎翼)

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