衆院本会議で新首相に指名され、自民党の議員から祝福される石破茂総裁(中央奥)。(左端から)麻生太郎最高顧問、菅義偉副総裁=国会内で2024年10月1日午後2時14分、平田明浩撮影

 自民党総裁の石破茂氏(67)が1日、第102代首相に選ばれ、石破内閣が発足。物価高対策や能登半島の復興をはじめ、日本が今、直面している課題にどんな道筋を示すのか。衆院選が間近に迫るなか、各地の人々が見つめている。

 結婚した夫婦が同じ名字になるか、別々にするかを選べる選択的夫婦別姓制度について、石破首相は賛成の立場を示しつつ、保守派の反発を配慮してか導入を明言していない。

 導入を求める訴訟を起こしている高校教諭、内山由香里さん(56)=長野県箕輪町=は「自民党総裁選の争点の一つにもなり、賛成する石破さんが勝った。今までよりは期待ができる」と前向きに受け止める。一方、石破氏は総裁選で否定的だった早期の衆院解散を打ち出すなど発言がブレている。内山さんは「石破さんも(これまでの首相のように)派閥や党内の覇権争いを優先するかのように見える」と懸念する。

 「選択的夫婦別姓は一部の人の関心とされがちだが、女性の人権問題。女性活躍や少子化など他のテーマにも通底する。人権に関わる問題を議員の足の引っ張り合いで先送りしないで」と訴えた。【深津誠】

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