福岡でも徐々に感染者が増えているインフルエンザについて新たな動きです。
今シーズンから日本初のあるワクチンが接種できるということで注目されています。
福岡市中央区の小児科クリニック。
10月1日からインフルエンザワクチンの接種が始まり、続々と親子連れの姿が…。
◆おだこどもアレルギークリニック 尾田琢也院長
「今年の流行状況を考えますと去年より少し早めに流行が始まり、さらに感染者数も多いと予想が立てられる」
福岡県によりますと県内ではインフルエンザの患者が増加傾向に。
太宰府市や行橋市の小学校ではすでにインフルエンザによるとみられる学級閉鎖も生じています。
◆おだこどもアレルギークリニック 尾田琢也院長
「(ワクチンは)約2週間後に効果が出始めて1カ月後くらいにピークを迎えますので、早めの接種がおすすめです」
ただやはり注射が苦手だという子供が多いのも事実です。
消毒する時から泣き出してしまう子供も。
◆保護者
「毎年受けてます」
◆保護者
「赤ちゃんの時よりはましになりましたけど、来る時からドキドキしていました。頑張ったね」
ワクチン接種のたびに悩みの種になってきた注射の痛み。
こうした中注目されているのが、今シーズンから新たに導入されるインフルエンザワクチン「フルミスト」です。
欧米では長年使用されていて、左右の鼻の穴に1回ずつスプレーすることで従来の注射型と同程度の効果を得られるとされています。
対象は2歳から18歳まで。
去年3月に薬事承認され今シーズンは全国に130万人分が供給される予定で、このクリニックでは8日から接種が始まります。
◆接種に来た子供(12歳)
「鼻にシュッとするだけなら、そっちの方がいいかもしれないです」
◆保護者
「子供だから今までやってる(注射)がいいかな。(来年の接種は)まわりの反応とか聞いてみて、その時決めようかな」
ワクチンに詳しい専門家は…
◆川崎医科大学 小児科学 中野貴司特任教授
「注射以外の方法で接種ができるのは1つの良い選択肢ができたかなと思う。1シーズンに1回で投与が完了するというのもメリット」
間隔を空けて2回の接種が必要な注射型ワクチンとは異なり、フルミストは1日で投与完了する一方、注意すべきなのは「副反応」だといいます。
◆川崎医科大学 小児科学 中野貴司特任教授
「このワクチンは生ワクチンです。生ワクチンは弱毒化した病原体が入っているので、時にはインフルエンザの症状が軽く出ることもあるでしょうし、免疫力が極端に低下した方は、このワクチンを使わないことになっている」
痛くないインフルエンザワクチンとして期待が寄せられるフルミスト。
感染予防の新たな選択肢としてそのリスクも十分に知っておくことが大切です。
■1週間程度は鼻からウイルス排出
取材した医師によりますと、フルミストは鼻に弱い毒性のウイルスを投与するため1週間程度は鼻からウイルスが排出されます。
このため身近に免疫力が低下している人がいる場合にはこのワクチンの使用を慎重に検討したほうがいいということで。
これまでのインフルエンザワクチンとの違いは、対象年齢が従来のワクチンは生後6カ月からでしたが、フルミストは2歳から18歳。
主な副反応ですが、従来のワクチンは注射した部位の腫れや痛み、フルミストは軽いインフルエンザのような症状が出る可能性があるということです。
1回あたりの価格は医療機関によって異なり、おおむね従来のワクチンの倍の価格となります。
ただ、これまで12歳までの子供は2回接種しなければいけなかったのが、フルミストは1回の接種で済みます。
効果が持続する期間は従来のワクチンと同程度見込めるということです。
これから本格的なインフルエンザのシーズンを迎えますので、選択肢の1つとして広がっていくかもしれません。
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